本日、迷いながらも飛び乗ったのは京王線。

昨日、リーグワンメディアカンファレンスの後に、堀江翔太とこんな立ち話をした。

 

よ 「明日は迷っていたが、翔太くんが出ないからモウンガとフリゼルにしとくわ」

 

ほ 「僕でもそうします」

 

てなことで〝生モウンガ〟見物としたが、期待の片鱗はしっかり見せてくれた。

 

とにかく、反応の速さ、そして次のプレーへの準備の速さ。というよりも、次のプレーを常に頭の中でイメージしているから、ムーヴが早い。

 

攻撃次のパスをしてからのサポートもだが、カバーディフェンスも驚異的なスピードでこなしていた。

 

「すごくハイテンポのラグビーで、その中で東芝のジャージーを着てフィールドに立てたのは嬉しかった」

 

本人も満足げに語ったが、チームに合流して1週間あまり。スタッフによると「実質2、3日」というコンビネーションでも、プレーを予期し、それに備える洞察力で、生き生きと動いていたのは流石だ。今日も好判断のマウンテンパスでFB松永拓朗のトライを演出するなど、瞬時の判断力も見せつけた。

 

 

▲このニンマリ顔がファーストゲームの「感触」を物語る

 

 

同じカンタベリアンのトッド・ブラックアダーHCもご機嫌だ。

 

「わずか1週間一緒だっただけだが、(2人とも)すごくいいパフォーマンスだった。チームとしっかりと息の合ったプレーをしてくれて、すぐにチームにフィットしたのは彼らと、元々いた選手たちのおかげだと思います。リッチーはよくプレーしてくれた。WC以降初めてのプレーだったが、自分たちのムーヴとか、この環境、いまのメンバーでプレーするのがどういう感覚かを掴んでくれたと思う」

 

ぶっつけ本番のようなゲームでもスタンダードを見せたリッチーだが、ルーパスのBKライン個々のキャラクターを掴めば、さらに攻撃力が研ぎ澄まされる期待感はかなり大きい。中でも、昨季までも攻撃の要となったCTBセタさんとのコンビは、リーグの中でもかなり厄介な存在になる可能性は大きい。リッチーのスペースを見出すパス、ランに、セタのオフロードが炸裂すると、防御側は相当に悩まされるだろう。

 

入れ替わるように後半登場したシャノンも、キャリーで強みを見せ、ラックサイドを突いてトライを奪うなど気を吐いた。

 

「SRのように速いラグビーで、楽しめたよ。トライはゴール前50㎝だからね。あそこまでハードワークしてくれた仲間のおかげ。でも、開幕へ向けてしっかりフィットできてると思います」

 

2人ともいい感触を持って開幕を迎えられそうだが、昨季プレーオフを逃したチームには、この2人以上の収穫もあった。

 

前週にはダイナボアーズをドライビングモールとスクラムで圧倒したディフェンディング王者に対して、このフィジカルエリアで優位に立ったのは、新戦力だけではなく伝統の強みもバージョンアップを印象づけた。

 

 

▲試合直後にファンサービスを度外視してもマイケル中心に臨時

ミーティングを開催。おじさん主将のいい面が、早くも出ている

 

 

選手個々でも、どうしても2人のオールブラックに注目が集まる中で、PR木村星南が判断のいい走り込みから防御を突破してのトライ、ハードタックルと攻守にインパクトを見せた。

 

FL伊藤鐘平は、サンゴリアス戦に続いて防御とワークレートを輝かせ、2,3列兼務からブラインドサイドとしての可能性を発散させ、アサエリ・ラウシ―もパワー面でのポテンシャルを感じさせた。ヴェルブリッツからやってきたCTBロブ・トンプソンも東芝のラインにフィットしている。そして、ウェールズからやってきたキゥイ、FBマイケル・コリンズも、松永のショートパントに反応してのトライなど、資質の高さを証明している。

 

選手層は間違いなく厚みを増している。あとは、新しい力がトップ4に太刀打ちできるレベルまで、どこまでチームにフィットしていけるか。シーズン終盤で進化と真価を見せられるかが注目だ。