いゃあ~いいゲームだったね。
夕方にクライストチャーチでのアプセットを堪能したので、おなか一杯だったけど、晩夏の秩父宮でも素晴らしい下剋上。様々な見せ場のあった試合だけど、ジャパンのしぶといタックルを勝因その1に挙げたい勝利でした。
体重とサイズのあるアイルランドに、とにかく喰らいつき、1人で倒せなければ2人、3人で襲い掛かる。まるでハイエナのように。そして相手にヒットすれば、リロードして次の獲物を狙う。この防御を、ニュージーランドでもアイルランドと同等かそれ以上の強敵に見せてほしい。
期待のCTB古田真菜の力を借りるまでもなく、FL長田いろはさんを筆頭に突き刺さり、仰向けに倒す一撃もあった。試合後のレスリーHCの満面の笑顔が全てを物語っていた試合だった。
タックルに加えて、FBでの松田凛日の凄さを改めて感じたゲームでもあった。彼女が期待通りに今後の女子ジャパンを代表する選手に成長するとしたら、この夜がエポックメイキングなゲームとして語り継がれるだろう。
試合後はワールドカップへ向けた壮行セレモニーなども行われ、ノーサイドから数十分は秩父宮はお祭りムード。すこし落ち着いたタイミングで必ず会場に来ていただろう、父・務さんにメッセージを送ると、こんな返信が。
「すみません、いま電車です、、」
すこしサバサバ目の〝ジョン〟こと松田努らしい。
さっさと家路についていた。
すこし時間を空けて電話をしてみると、ここもジョンらしく、内心はともあれサバサバと語ってくれた。
「細かいところをいえばキリがないが、いいゲームでしたね。(凛日の2トライは)あそこはいいプレーを見せてくれた。でも、ここで満足せずに、ワールドカップをしっかりと見据えて、これから頑張ってほしい」
ご本人も、チームのエースとして期待された1999年ウェールズ大会で、初戦のサモア戦で体を張ったプレーで負傷して、その後の活躍を逃した経験があるジョンだからこぞ、本大会で輝く娘の姿を祈るような思いで心待ちにしているはず。
しかし、この夜のスパークは、父に負けない存在感を、世界の舞台で発揮する可能性を十分に見せたのが、本人にも、松田家にも、そしてレスリージャパンにも収穫だったはずだ。