▲ジャンプしている状態なのでハイライトを横に置けないが紫紺FW(手前)のデカイこと!

 

 

釜石での勇ましい女子のテストマッチを回避して、今週は東京にとどまることに。

で、時間が出来た土曜日、都内のクソ暑さ(失礼!)を回避して何処に――と思い立ったのが「そうだ狭山に行こう!」と、ウチのチビ車でふらふらと。

結果、東京よりも蒸し暑い? セコムフィールドでセコムラガッツと明治大学の合同練習なんてものを見てきたよ。

 

本当は練習マッチの予定が、本業の警備業務で相当泥棒とっ捕まえたようで、セコムメンバーに怪我人続出。実戦形式込みの練習になりました。

 

本来なら狭山を回避してWOWOWで「ドライブ・マイ・カー」でも観ててもよかったが、愛すべき酔っ払い(再び失礼!)スコット・ピアース新ヘッドコーチのお手並み拝見と、春はリーグワンと桜のジャージー優先でしっくり見ることが出来なかった〝紫紺〟を観るにはいい機会と、お茶畑を抜けてトコトコちびカーを走らせました。

 

実はこのカード、昨季も練習マッチを行って、セコムが63-43(3セットマッチ)と快勝。ラガッツフィフティーンには失礼ながら、予想以上の大差がついた試合。その結果があったから、明治としても、今季も受け入れ易かったようです。

 

ただ、就任2シーズン目の明治・神鳥裕之監督に、この夏場の練習マッチの目的を聞くと、なるほど中々合理的な説明をしてくれました。

 

「春シーズンは東海大の負けたが、他は勝つことが出来た。でも、その中で課題だったものを、7月中に取り組んで、この日の実戦で試そうという狙いがあった」

 

 

▲就任2シーズン目の頂点獲りに挑む神鳥監督。段階的にチーム力を高めている

 

 

では、その課題とは。

とにかくシンプルに監督「ディフェンスです」。

 

春のゲームでは、勝利を重ねながらも簡単に防御を破られての失点が目立ったのが、大きな反省材料。そこを、8月の磐城、菅平合宿前にしっかりと修正しようという〝夏休み前半の宿題〟の成果を見せるのが、セコム戦の目的でした。

 

では、その結果は…

ヨシダ個人の祭典では[💮💮💮💮 ・ ]ですかね。

すこし優し目ですけど、アタック&ディフエンスを見る限り、かなりいい評価をあげたいですね。BKのライン防御では、個々の選手が積極的にファーストコンタクトでいいヒットを見せ、集散も社会人を上回っていた。「いいファイト」という言葉が浮かぶようなプレーぶりでした。明治OBでもあるラガッツSO忽那鐘太くんに、巧みに裏に出られてのトライはありましたが、概ねいい防御だったと評価したいですな。

 

防御に加えてアタックでも、かなり積極的にボールを動かし、接点でサポート選手がファイトしてアップテンポで球を出して、外で崩してのトライを〝A&D〟キックオフ直後から何度も見せてくれました。

 

FWも、190㎝級の大型LOが5人ほど揃っているので、ラインアウトでセコムと並ぶと、どちらが大人かと錯覚するような印象です。神鳥監督は「あのサイズのある連中をしっかり育てないといけない」とは話していましたが、実戦練習中の相手のボールキャリーを羽交い絞めにしたチョークタックルなど見ると、十分相手の脅威になるでしょう。

 

1つケチをつけるとすると、実戦練習後のスクラムセッション。ファーストスクラムこそ紫紺が重圧をかけたが、その後は、ラガッツが押し切るセットが多かった。紫紺の3番の体が浮いてしまうようなシーンもあったので、こちらが厳しく[💮 ・ ・ ・ ・ ]としておきましょう。

 

ラガッツはトップイーストのチームなので、リーグワン・ディビジョン1から見ると「4部」相当。ですが、スクラムに関しては、チームスタッフで〝ラグビー界一の奇人〟元PR山賀敦之くんが〝越権行為〟で拘り続けるプレー。スクラムだけで丼めし5杯は食える山賀奇人が鍛えるスクラムは、4部でも侮ることなかれという実力でした。

 

 

▲右後方が奇人・やまがくん。顔が★という役職じゃないよね

 

 

A&Dで惨敗した後のスクラム快勝で、練習後のクールダウンでも、チーム(特にFW)は、すこし和やかな表情だったように感じます。山賀GMも、「わざわざ来てくれた明治さんに、A&Dだけなら土下もんでしたから」と安堵の表情でした。

 

一方の押し込まれた明治ですが、FWメンバーを見ると、スクラムの人材難という印象はないですね。でも、この日のセッションはすごくいい経験だったのでは?

8月に入ると夏合宿での練習→実戦が本格化します。明治も磐城でじっくり練習をして、菅平の実戦で試すという流れです。でも、公式戦までの準備期間で、社会人とどんどんスクラムを組めば、彼らは伸びるのではないか。素人考えでは、そう思います。

 

いまの明治なら、どの社会人チームでも、スクラムでも実戦練習でも大歓迎のはずです。日に日に合理的、科学的なトレーニングが取り入れられているラグビーですが、スクラムに関しては、アナクロの組み込んで作り上げる作業が重要なのだけは間違いないでしょう。日本一という最終ゴールのために、この鍛える段階の夏に思い切った〝投資〟もいいのではないでしょうか?

社会人と組み込むことは、きっといいリターンがあるのではないかな。

 

 

▲酒場では気のいいオヤジでスコッティ(右)も、惨敗A&Dの後はすこし真剣にアドバイス

 

 

かなりビジターの話ばかりになったけれど、警備会社は攻守にまだまだ精度を上げる必要がありそうです。ブレイブルーパスの躍進を支えたLOジェイコブ・ピアースの父上は、今春から指揮を始めたばかり。まだ、カラーが落とし込まれていない印象です。でも、明治のおかげで、スクラムへの自信は深まったはず。後日の正式発表を待ちますが、この週末から、スコッティを支える人材(飲み友達?)も加わっています。自分たちの強みをしっかり生かしながらのスタイルの構築に期待しましょう!