日本代表と6月12日に対戦するサンウルブズの主なメンバーが発表された。
「これだけ?」と思われる方もいるだろうが、この15人に、12日のゲームで代表先発から外れた選手が加わることになる。
オンラインでのメディアブリーフィングに参加した日本代表の藤井雄一郎ディレクターが、今回のセレクションについて説明している。
「なかなか試合が組めない中で、、国内で最強のクラブということでサンウルブズを再結成してもらった。このチームで活躍した選手と日本代表から何人かが入ることになる。12日の試合では、サンウルブズは、日本代表の先発メンバーから漏れた選手ではなくて、代表の先発15人の次の選手がメンバーになり、その他の選手が代表のリザーブに残る形になる」
つまり、代表側で選ばれた先発15人以外から、〝セカンドベスト〟の選手がサンウルブズにまわり、今回発表されたサンウルブズメンバーと組み合わされる。しかも、代表組が優先的に先発に起用されることになりそうだ。そして、それ以外の代表組が日本代表の16番以降のジャージーを着ることになる。言い換えれば、12日の試合は代表の紅白戦ということだ。
代表および今回発表されたサンウルブズでまかないきれないポジションがあれば、追加発表されるという。
サンウルブズと名乗ることには、個人的には賛否2つの思いがある。
否の部分は、このチームの存在意義は、日本代表になるべき素材をいかに磨き上げるかだから。単発の、しかも、この試合がエキシビションマッチのようなものに成り下がるのであれば、サンウルブズを名乗るのはどうか?
賛は、現時点ではサンウルブスが何処かの国際リーグに参加するような定期的な活動が難しい中で、今後は〝日本代表候補〟のような位置づけ、むしろ代表規約に従属しないという意味では「日本選抜」の役割を果たしていくとすれば、今回の試合がその第一歩となるのかという思いのためだ。
今回のサンウルブズに選ばれているメンバーの大半は代表候補に名を連ねているが、藤井ディレクターには、改めて代表セレクションという観点で、この選手たちをどう位置付けているも聞いてみた。
「今回の代表は短い期間での合宿なので、基本的には調子のいい選手をピックアップしいる。今後、調子が上がって来る選手もきっとでてくるでしょうし、若い選手もでてくるだろう。スコッドの中身が全く同じじゃ困るので、ジェイミーも見てみたい選手を選んでいると思う」
この説明が、サンウルブズと名乗るチームの新たな役割を示唆していると考えたい。
サンウルブズを、こんなチームにしたいという強い意志と、このチームの運営に権限を持った人物がいないので、この先どう転がっていくかは不透明だけど…。
メンバー編成は、代表選外組に、代表資格がないFLエドワード・カークのようなサンウルブズOBが少々。
LO長谷川峻太、FL布巻峻介の峻々コンビは、もう実力のほどは十分に証明されているが、SO山沢拓也、FB野口竜司には、ジャパンを相手にクオリティを見せてほしい。CTBディラン・ライリーは、散々書いてきたので、ここでは触れまい。
顔ぶれを眺め、ブリーフィングでの説明を聞くと〝日本代表追試組〟というコトバが浮かんだが、一見すると意地悪な言い方も、まだ将来的な代表へのチャンスがある顔ぶれだと考えれば妥当だろう。
勘違いしてはいけないのは〝将来〟とは、エディンバラやダブリンではなく秋以降のこと。よほどの大幅な負傷者がでるなどすれば、話は別だが。
その一方で、1試合限定のサンウルブズに求められるのは、相手に怪我をさせてでも自分がジャパンに這い上がろうとするマインドセットだ。
日本代表のライオンズ戦へ向けたウォームアップの〝お相手〟という感覚は、少なくともチーム内では完全に遮断することが、コーチ陣には求めらる。お祭りムードは、スタンドやテレビの前のファンに任せておけばいい。
別府で合宿を続けるチームだけではなく、周囲も含めて、どこまでライオンズを倒すための真剣さを醸成できるかも、歴史を作るためには重要だろう。このような観点から考えれば、今回の強化試合は、ニュージーランドで行われてきた北島vs南島のような、代表セレクションを前提としたゲームと、はっきりと位置付けて行ったほうがいいのかとも思う。
JRFUが「日本代表」「サンウルブズ」という名前にこだわりたかった思惑は置いておいても、日本代表サイドも、おそらくライオンズ戦へ向けた戦術を準備し始めるタイミングでの実戦となるため、セレクションではなく、敢えて日本代表としてのゲームをしたかったのだろう。
しかし、そのような時制でのゲームであったとしても、チーム名も含めてセレクションという目的を明確に担う位置づけの試合をセットアップするべきだったと、個人的には考えている。
▼サンウルブズ暫定メンバー
PR北川 賢吾 クボタスピアーズ 178 110
三浦 昌悟 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 180 113
HO彦坂 圭克 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 178 99
LO秋山 大地 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 192 110
長谷川 崚太 パナソニック ワイルドナイツ 188 100
FL Ⓒエドワード・カーク キヤノンイーグルス 191 109
布巻 峻介 パナソニック ワイルドナイツ 178 98
SH中嶋 大希 NECグリーンロケッツ 171 79
SO前田 土芽 NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス 178 88
山沢 拓也 パナソニック ワイルドナイツ 176 81
CTB梶村 祐介 サントリーサンゴリアス 181 95
ディラン・ライリー パナソニック ワイルドナイツ 187 102
WTBホセア・サウマキ キヤノンイーグルス 190 107
FB尾﨑 晟也 サントリーサンゴリアス 175 85
野口 竜司 パナソニック ワイルドナイツ 177 83
