▼スーパーラグビー(SR)第18節 ブエノスアイレス(アルゼンチン)ホセ アマルフィターニ スタジアム

サンウルブズ 10-52(前半10-21) ジャガーズ

 

優勝争いをするチームとの差が、スコアに表れたという結果でしょうか。

日本代表資格を持つ選手の、宮崎をザワつかせる活躍と、来季で除外されるチームの意地に期待したのですが、FL松橋周平(リコー)の、変わらないブレークダウン周辺での動きが、救いのような試合でした。

 

途中出場のHOジャバ・ブレクバゼ選手が負傷退場して、スクラムがノンコンテスト(規約でサンウルブズが1人退場)となった時点で、万事休したのですが、それ以前のタックルを見ても、かなり厳しい展開でしたね。

日本代表と戦術を共有といいながら、セットピースからのファーストコンタクトで、完全に相手アタッカーに乗っかられてしまい、続くフェーズへも相手にいい勢いで走りこ込まれてしまえば、当然苦しい流れになります。たとえ、シャロ―で詰めていっても、そこで乗っかられちゃ、元も子もないでしょう。

同時に、だいぶメンバーを落としたといえ、アルゼンチン代表の別の姿であるジャガーズの選手の、コンタクトシチュエーションでの勢いと、前傾姿勢と、力強さにあふれたランニングには、ワールドカップでの期待を感じさせられました。

 

敗戦後のコメントを載せておきます

 

スコット・ハンセン ヘッドコーチ代行 「残念ながらハーフタイムの時点でHOを 2 人失うことになってしまいました。その結果、14人での戦いとなったことで、自分たちのスクラムやラインアウトの戦力が落ちてしまい、厳しい戦いになってしまいました。このこと が、今日の試合に非常に大きな影響を与えることになったと思います。しかし選手たちはよく頑張ってくれま したし、非常に勇敢でした。彼らを誇りに思います」

 

FL松橋周平 「様々なトラブルが発生し、タフな試合となりました。いい準備もできて勝ちに行く気持ちでいました が、このような結果になってしまい悔しいです。ファンの皆さんにも申し訳ない気持ちです。個人的には自分の仕事をやろうと意識していましたが、きつい状況になった時にもっと流れを変えることもできたと思います。課題が残ります。ファンの皆さん、1年間応援ありがとうございました。結果を出すことができず厳しいシーズンでしたが、 選手 1 人1人を見ると成長した部分もありますし、自分自身サンウルブズで学んだことも多かったです。こ の経験を次のトップリーグや、ワールドカップに向けていい糧にしていきたいと思います。来年も引き続き応 援よろしくお願いします」

 

WTBセミシ・マシレワ 「不幸にも 13人になってしまい、今日は残念な結果となりました。ここでも我々の規律の問題が出てしまっ たと思います。しかし80分間選手たちは全力で戦い続けたこと、あきらめない姿勢を見せられたことを非常に嬉しく思います。ファンの皆さんは我々にとって本当にスペシャルな存在です。毎週ホームでもアウェイでも応援を届けてく れました。2019年はファンにとってもチームにとっても本当に色々な事があった年でしたが、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います」

 

FL長谷川崚太 「今夜が、スーパーラグビーデビューとなりました。後半、スクラムでノーコンテストになったことで、アピー ルする場面も少なかったですが、フィジカルの部分では劣ってないなと感じました。短い期間でいい準備がで きましたが、それをパフォーマンスで発揮することができず残念です」

 

 

もう、サンウルブズの最終戦から半日以上経っています。なので、このブログで書きたかったのは、試合ではなく、今後のことです。

 

今季の秩父宮ラグビー場開催の試合は、常に1万人か、それ以上のファンがスタンドを埋めていました。

つまり、トップリーグが、毎年のように目標、目標と叫び続けている観客数を、はるかに超える観衆を毎試合集めているのです。サンウルブズのSRの除外が決まった後も、客足は減らなかったのです。

 

そして、数字もさることながら、その〝客層〟が重要なのです。

秩父宮の記者席というのは、メーンスタンドの最上段にあるので、メーンスタンドはもちろん、向かい側のバックスタンドも、よく見えるのです。

比べてみると面白いのですが、大学ラグビーの伝統の試合などのスタンドは、色で表現すればグレーか黒。そして、サンウルブズの試合では赤や原色です。

つまり、着ているものなんです。大学伝統の試合に集まるのは、昭和時代のラグビー最盛期に、その人気を支えてきた熱心なオールドファンの皆さん。そしてサンウルブズのスタンドには、幅広い客層が集まっています。とくに、なぜか大学の試合なのに少ない30歳より若い人たちも、かなり大勢来ているのです。

 

で、スタジアムに入る人の流れを眺めていても、みんな笑顔です。いかめしい顔して、グレーのジャケットは着てないんです。

言ってみれば、フェスか、友人たちとバーベキューしにビーチに向かうような表情です。

だから、試合の応援も、楽しみながら参加しているという雰囲気。スクラムのときの定番となっている「ウォー」なんていう、フォルセット気味の雄叫びなんて、鳥貴族での飲み会でも恥ずかしくてできないけど、スタジアムではやっちゃってます。

 

サンウルブズが、大逆転でSRに残留というシナリオは、相当の芸当が必要です。でも、絶対に逃していけないのが、この新しい客層です。

サンウルブズを主語とするのではなく、この客層を主語にして、語らないといけないのです。

 

【例文】

× サンウルブズを存続させたい。どうしよう。

 

〇 この客層をラグビー界に残したい。そのためにはサンウルブズを、どう存続させればいいのか。

 

日本ラグビー協会は、首脳陣の大改革をしようとしています。

今後の協会を引っ張り、改善していくことを期待されている人たちの名前も、いろいろとでています。

日本のラグビーには、改革しないといけない問題が山積しているので、サンウルブズ、いや、あのスタンドの人たちを、新首脳陣がどう感じ、どう考えるかは、その人たちの価値観次第です。

 

日本ラグビー協会に触れたので、こんな曲のことに触れておこうかな。

敬愛するThe WHOのギタリスト、コンポーザーのPete Townshendは、名曲Won't Get Fooled Again

https://www.youtube.com/watch?v=ODKZGBrAtxY

の最後のフレーズをこう締めています

 

Meet the new boss,Same as the old boss!

 

曲名(訳せば「もう、あんなバカはしねえ」)も、歌詞(「新しいボスに会ってみたら、前と同じヤツだったぜ」)も、この四半世紀のラグビー協会について語ったように思えるのは、気のせいかな?