『昭和14年5月1日 海軍一等機関兵ヲ命ズ』
軍人として生きていく決心をした大叔父はここでひとつ進級している。
そして、
『昭和14年5月15日
工機学校第67期普通科機関術練習生(掌罐)』
大叔父は進級してすぐに工機学校に入校。
将校を学生と呼ぶのに対して、下士官以下は練習生と呼ばれた。 下士官になりたい者はこのようは学校に入り、専門的な教育を受けなければならなかったらしい。
ちなみに、“掌罐”は
機関術練習生の練習科目のひとつで、ボイラーのような部門を指す。
新たな第一歩を踏み出した大叔父。
この時、彼は23歳。
もう故郷を思い出して涙するような
少年ではなくなっていた。