五島釣行2日目の出来事。
昨日からの風はますます強くなり、どんよりとした曇り空が広がる。
朝5時過ぎ起床、コーヒータイムを済ませた後、風裏の釣り場を目指して車を走らせる。
辿り着いたのが、小さな漁港。
道路もここで行き止まりである。
ここには、以前連絡船が発着していた波止と、少し離れた場所に崩れかけた石積みの波止のような場所が有り、
その2か所が釣り場。
釣り場としては、崩れかけた石積み波止が実績が高いようで、チヌや真鯛の大型が出ているという。
しかし、波止先端に立つと、風がほぼ正面から吹き付け、釣りにはなりそうもない。
南西の風なので、本来風裏となるのだろうが、山を回り込んだ風が入り江を吹き抜けてくるためだろう。
已む無く、漁船の係留されている波止で釣ることにした。
私をここに下ろすと、ゆりちゃん、Mさんは、他の場所を求めて移動。
荷物は、連絡船の待合所に置き、バッカン、竿、タモだけを持って波止先端に立つ。
ここは完全風裏、時折吹く風も背風で釣りやすい。
釣り始めて直ぐに近所の漁師さんが見に来た。
ここは、3月頃まではクロが良く釣れたけど、今は何も釣れないよ、と寂しいお言葉。
10mほど先まで捨て石が入っていて、その先がポイント、と指さしながら親切に教えてくれるが、チヌならここでは無理だね、と又寂しいお言葉。
チヌを釣るなら崩れ波止に行きなさい、と言われるが、風が強すぎて釣りにならない、というと、アジ位なら釣れるよ、との言葉を残して去って行った。
確かに、暫くすると味が釣れ出した。
20~25cmほどのサイズのアジが、上層でも下層でも釣れてくる。
五島まで、アジを釣りに来た訳ではない。
100mほど先の崩れ波止でチヌが釣れるなら、ここにもいる筈。
そう思いながら、撒き餌を打ち、仕掛けを流す。
でも、釣れてくるのはアジばかりなんですよね~。
そのうちに、別の漁師さんが現れ、また同じような話。
そして、沖に出た方良いのではないかい、と云いだす。
この漁師さん、渡船をしている友達がいるようで、頼みもしないのに電話で話し始めた。
数人の客がいて、沖は風が強いので風裏の地磯に客を下ろしたというような話をしていた。
それもそのはず、強風注意報が出ていて、波高4mと云うことだ。
その漁師さんも、自分の船に戻り網の手入れを始めた。
相変わらず、アジは釣れ続ける。
9時過ぎには、2~30釣ったろうか。
お気を見ると白波が消え、幾分風も弱まってきている気配。
ここでは、チヌは無理と見切りを付け、タモを担ぎ、竿とバッカンを持って崩れ波止に移動することに決めた。
船の中の漁師さん、風も少し落ちたみたいだから、その方がいいね、と笑って話しかけてくる。
朝ほどではないが、風は右斜め前から吹き付けてくる。
撒き餌を打ち、風の弱まるのを見計らって仕掛けを投入。
1投目から、竿先にコツンとアタリが出た。
期待に胸が膨らむ。
向かい風に飛ばされた撒き餌の粒がウエアーに降りかかるのもなんのその、どんどん撒き餌を入れる。
3投目、待望のバリバリとラインを引っ手繰ってゆく当たり。
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
然程重くはないが引きはかなり強い。
ここでの初獲物、慎重にやり取りをする。
が、海面に浮いたのは綺麗なピンク色。銀黒では無い。
30cmちょっとの真鯛。
スカリが無いので、ストリンガーにかけて海中へ。
それから2、3投後、再び キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
が、これもピンクの魚体。
ストリンガーにかけようと、紐を手繰ると抵抗を感じる。
先ほどの真鯛が石積みの間に潜り込んでしまっている。
何とか引き出して2匹目を掛け、今度は浅瀬の崩れ石の無いところに入れる。
風は強くなったり、弱まったり。
暫くして、竿の操作をしていると背後から大きな鳥の陰。
仰ぎ見ると鳶がストリンガーについている真鯛を鷲掴みにして飛んでいる。
ストリンガーのロープが一杯に延びたところで、真鯛を離したが、身体には爪の後。
可哀そうに1匹の真鯛ちゃん、息絶え絶え。
再び海中に入れたが、お腹を出して瀬泳ぎ状態。
もう1匹の真鯛君に引かれて右往左往。
可哀そうだから放流しようと思ったが、放流しても多分生きられないだろうと、持ち帰ることを考えた。
そうこうしているうちに10時を回っていた。
付け餌の生イキ君が無くなり、待合室に置いている荷物まで取りに行くことにした。
待合室で、朝食のパンをかじり、ペットの紅茶を飲んで釣り場に戻る。
途中、鳶が2匹釣り場の上空から舞い降りたままなのが見えた。
もしやと思い、急いで釣り場に戻る。
私が近付いても、鳶は真鯛を鷲掴みにして身体を啄ばんでいるのが見えた。
その辺の石を拾い、鳶に向かって投げつける。
可哀そうに、元気だった方の真鯛君、目玉を抉られ、頬肉を食べられてしまっていた。
もう1匹の方も鱗が剥がれ爪痕がくっきり。
気の毒で、写真を撮るのに抉られた目玉のある方を隠したが無残な姿である。
島内放送が、荒天のため長崎からのフェリーが欠航することを告げていた。
気を取り直して、釣り始めたが、暫くするとゆりちゃんが昼食に行くための迎えに現れた。
昼食後に、場所を変わることにし、道具を片付ける。
真鯛ちゃんたちは、息絶え絶えの状態で海に戻した。
多分鳶たちの餌食になってしまうことは解っているが、クーラーに氷は入っていないし、やむを得ない。
昨日の真鯛たちはスカリに入れたまま、浮き桟橋に釣るしている。
鳶たちの飛び交う場所では、浅い場所に魚を置けないという教訓である。



