先週、ご利用者さまから、

「ちょっと歩きながら、

横を見てたら、すごく怖くて、

歩けない感じだった」

というお話がありました。

 

このご利用者さまは、

脳出血による麻痺がありますが、

杖や装具はなしで歩かれていらっしゃいます。

 

今日は、その時の歩きについて、

少し掘り下げて、

何が起こったのか、

どうしたら良いのかについて、

書きたいと思います。

 

杖や装具を使われていても、

横を向くような余裕がなくても、

歩行時、同じような傾向はあり、

役立つ点もあるかと思いますので、

読んでいただけたらと思います。

 

私、福島県いわき市にて、

自費リハビリを行っております

廣渡一隆と申します。

よろしくお願い致します<(_ _)>

 

一般的に歩行する場合、

地面や床を見て歩くことは少ないかと思います。

よほど、地面の状況がイレギュラーな時には、

しっかりと見る必要があるかもしれませんが、

 

「見る」というと、

視点が合って、しっかりとはっきりと

見えているものに対して、

「見ている」感覚があると思います。

 

歩行において、大切な地面や床などは、

「見ている」というよりも、

「見えている」状態で、

たくさんの情報が入ってくると考えていいと思います。

 

ヒトが動く時に頼りにする視覚的な情報は、

地面や壁などが流れていくような情報です。

正面のものは段々と近づいて来て、

横や下のものは、後ろへと流れていきます。

 

視野の真ん中ではなくて、

周辺視野と呼ばれる周りから受け取っている情報が、

移動において、大切な情報とされています。

 

ですので、歩く時には、

地面や床に注目し過ぎず、

周辺視野で捉えるような感覚が

大事だと思います。

 

そこでです!

今回のように歩いていて、

ちょっと目を引かれるようなものがあり、

歩きながらそちらに顔や体を向けた時に、

この周辺視野からの情報が、

途切れてしまう訳です。

 

それでも歩こうとした時に、

怖くて歩けなかったという訳です。

 

じゃ、立ち止まるしかないのか・・・

いやいや、ちょっとその前に・・・

 

今回、ご利用者さまと一緒に、

どの動きの時に一番怖さを感じるのかを

まず探ってみました。

 

すると、どちらを向いているにしろ、

麻痺側の足を着こうとした時に、

怖さを感じるとのことでした。

麻痺のない側を上げたり、

出したりする時には怖さはなく、

麻痺側の足を上げる時にも、

怖さはそれほどないとのことでした。

 

さて、ここで、歩き方の特徴に入ります。

 

麻痺のある側の足を出そうとすると、

そちら側の骨盤も足と一緒に

上がっていることが多いです。

厳密に言うと、

麻痺がなくても、

一方の骨盤を上げながら、

足を振り出していることが多いです。

 

その状態で、足を着こうとすると、

骨盤の上がりが大きければ大きいほど、

足が着かない状態となります。

歩いている状態なので、

更に前の方に足を伸ばして出して

着かなきゃいけない状態になります。

 

この傾向があるので、

足を着こうとしても、

感じているよりも地面が遠く、

足が着かずに怖さとなっていたようでした。

 

ここから練習です!

麻痺側の足を前方に着く時に、

骨盤もしっかりと前に送り、

下ろして行くようにします。

すると、

骨盤ごと足が下りていくので、

着きにくかった足が、

着きやすくなりました。

 

このご利用者さまは、

横を向きながらも、

この感じで歩くと、

怖さがなくなったとのことでした(^_^)

 

 

「麻痺側の足を下ろしにくい」

「足が着きにくい感じがある」

という方は、骨盤から下ろすように

してみてください。

ちょっと違う感じがするかと思います。

 

それでも難しいかなという方は、

足を着いた状態で、

長い足で立つ感じで、

つま先を蹴らずに、

踵で伸びるようにしてみてください。

その感じが出ると、

足を下ろす時の感じも

捉えやすくなるかと思います。

 

土曜日は、風が冷たく、

春の感じは全然なかったのですが、

八重のしだれ梅はしっかりと咲いて、

さくらんぼのつぼみが膨らんでいました。

いわきでは、かなちょろと言ってるのですが、

九州ではトカゲといっていて、

正式にはカナヘビというようですが、

その赤ちゃんがウロウロしていました。

やはり、春はそこまで来ているのだなあと感じました(^_^)

 

今週もステキな一週間となりますように(^^♪

 

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