『BKLYN-ブルックリン-』を振り返って... | OKUYAMAgazine

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幼少時代から、主にテレビ・舞台・雑誌など様々なジャンルで活動している。
現在はミュージカルを中心俳優・演出家として活躍中。

先日24日、ミュージカル『BKLYN-ブルックリン-』が無事に全公演終演致しました。

連日、大盛況と共に沢山のお客様から有難いお言葉を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
2年前にも本作品を上演致しましたが、今回はScoreさんにご協力を頂いて、新演出版として誕生致しました。

今年の始めに情報公開され、オーディションを経てこの素晴らしいメンバーと出逢えることができ、その間にも舞台美術の構想や、衣装デザイン案も出しつつの日々でした。

これは僕が最初に描いた舞台美術案(パンフレットにも載っています)

そして、衣装デザイン案

パラダイスのあのシーンです。
ちょうど『ブロードウェイと銃弾』の公演中。終演後に直帰し、部屋に閉じ籠ってずっと描いてました(笑)ホームレス一座による劇中劇なので、身近にある物での小道具・衣装作りにも想像力をふんだんに、奥山の頭の中のおもちゃ箱をひっくり返す毎日でした。
それを具現化して下さったのが、衣装の富永美夏さん。『髑髏城の七人』からお世話になっている抜群のセンスの持ち主。
『ブロードウェイと銃弾』、『モーツァルト!』の期間中はウォーミングアップ中も劇場への通勤中も、ずっとこの作品の曲を聴き続けていたのは忘れもしません。
また今回は新演出版として2年前の公演から翻訳・歌詞も変更し、より密度の濃い作品に仕上げる事が出来たのは『スペリング・ビー』からご一緒頂いている金子絢子さんのおかげです。僕と金子さんでほぼ毎日連絡を取り合って、拘りに拘った台本が出来上がりました!

そして歌稽古に入って。
今回ステージに立つのは5人だけ。(ブロードウェイ版は影コーラスを入れて7人だったかな?譜面のコーラスワークもそうなっていました)
コーラスは一人一パートという猛烈にハードルの高い環境の中、音楽監督の長濱司さん、歌唱指導の安部誠司さんのお力のもと、素敵なコーラスが生まれたのだと思います。

今回、ステージングで一番の要となったのが...
4台の衣装シュテンダー。
構成は小さいホワイトボードにマグネットを付けて。
ずーっと、ずーーーっと。あぁでもない、こうでもない、とグルグル回し続けていました。

稽古場では動かす役者に「自分がシュテンダーになった気持ちで!」と何度も言っていました(笑)細かく決められたディレクションに、出演者・バンド・スタッフの皆さん、本当に良くぞついてきてくれました!感謝です。
その全ての動きを図面に纏めてくれていた演出助手の守屋由貴ちゃん。素晴らしいお人柄、また稽古場を心地よく回してくれた敏腕演出助手。


いろいろと長くなりましたが...
初日の大盛況とスタンディングオベーションの光景は、決して忘れません。これからも良い作品に出逢い、愛情を込めた作品創りが出来るよう精進して参ります。そしてまた再演も出来ますように。
今回の場を与えて下さったScoreさま、ご来場頂いた皆さま、応援の言葉を下さった皆さま、『BKLYN-ブルックリン-』に関わった全ての方々に感謝とお礼を。

本当に有り難う御座いました!



またお会いできる日まで。

奥山 寛