トイザらスはアメリカで発祥したおもちゃ屋です。
そのトイザらスにはマスコットキャラクターとして、キリンの「ジェフリー」が居ます。
↑ジェフリー(Geoffrey)
星型の斑点に二本足で立つキリンですが、実はこのキリン、6代目です。
↑過去のジェフリーの一覧(日本トイザらスより)
過去にこのブログでトイザらスの歴史を2回触れており、そのうち片方ではジェフリーに関する話も触れましたが、この記事ではより「ジェフリー」に特化したことを記入していこうと思います。
1.初代ジェフリー
に触れる前に、まずはトイザらスのオープンについて触れます。
トイザらスの創業者は「チャールズ・ラザラス」と言う人です。この人は第二次世界大戦が終わった後である1948年、米国内でのベビーブームを受け「Children’s Bargain Town」という店を作ります。
この店は子ども向けの家具、おもちゃなどを取り扱っている店です。
この時代にはすでに「ジェフリー」の原型となるキャラクターは存在していました。
その名は「Dr. G. Raffe」。後の初代ジェフリーです。よく見ると上記画像にもキャラクターがいるのが分かります。
その後ラザラスは「子どもが遊ぶおもちゃは壊れるものである、ということはおもちゃを売ればそれは顧客の再来店に繋がるのでは」と言うことを思いつきました。
そして1957年、2号店の開店に合わせ「Toys "R" Us」という店名に改名しました。
(Children’s Bargain Townという店名はその後もしばらく残りましたが…)
この名前は「Toys are us!(おもちゃなら私たち!)」という言葉から取られたものとされています。
(一応トイザらス公式はこのような見解ですが、別の説として「トイ+ラザラス」を足して「トイザラス」になったという説もあります)
そして1965年。店舗のスタッフにより「ジェフリー」の名が付きました。
このキャラクターはとても人気になり、広告にも出てきています。
↑60年代の広告。汽車に乗っています。
↑1969年の広告。恐らくクリスマス仕様。
↑この頃のトイザらス。初代ジェフリーがでっかく設置されています。
(ちなみにこの凹凸の建物は90年代辺りまで続きます。)
1972年。トイザらス初のCMが登場します。この地点から既にジェフリーが居ます。
また、背景をよく見ると「Children’s Bargain Town」の文字が見えるので、この頃はまだ昔の店名の名残が残っていたとされます。
ジェフリー人気の真っただ中、次のジェフリーが登場します。
2.2代目ジェフリー
1975年から登場したこのジェフリーは、一気にデザインが変わります。
目は丸くなり、リアルな模様から丸い模様に。
このような看板が建てられたところもありました。模様はリアルですが…。
この時代に出来たトイザらスのジェフリーも、しっかりと変わっています。
トイザらスはアメリカ各地に出店され、それに伴いこのジェフリーに家族が出来ます。
父「ジェフリー」、妻「ジジ」、息子「ジュニア」、娘「ベビージー」の4人です。
ちなみにこの車は「ジェフリーモービル」という車で、ポテトチップスを燃料とする2階建てバスだったそうです。
ジジとジュニアは週に1回掲載されるトイセールの広告に載り、ベビージーは主にベビー用品の広告に登場していました。
主にジェフリーはどこでも、
↑ベビージーが登場している赤ちゃん向け用品の広告。
↑きょうだいだけが出ている広告。
↑一家がデザインされたピアノもあったそうです。
このジェフリーの家族が最初にCMに出たのは1976年のCM。雪の中、家族でオープンカーに乗りトイザらスの店に向かうという内容です。
1977年になると、ついに着ぐるみが登場します。
当時のトイザらス店内の様子を見ることが出来る、貴重なCMです。
1978年のCM。
この頃、トイザらスは東海岸側だけでなく、西海岸側にも出店が始まりました。ちょうどこの辺りにカリフォルニア州などにもトイザらスが来たわけです。
なので、ジェフリーのアメリカ旅行と称して各州?を訪れているのでしょう。
1979年の広告。
沢山の着ぐるみが踊っています。ちょうどこのころは「サタデーナイトフィーバー」が流行った時期でした。
さて、時代は変わり1980年。まだまだジェフリーの一家は現役です。
アメリカ各地のトイザらスを巡り、イベントを行ったそうです。
何かの懸賞でしょうか。
1980年の広告。
最初の方に「ジジ」「ベビージー」と言っているのが聞こえます。
1982年。今にも引き継がれている「僕らはトイザらスキッズ」のCMが誕生します。
ジェフリーも少しだけ登場しています。
さて、ジェフリーもデザインが変わります。
実はここでジェフリーの家族は残念ながらさよならしてしまいます。
3.3代目ジェフリー
日本トイザらスでは「1985年」が誕生年とされていますが、海外のトイザらスの歴史ページには1988年が誕生年とされています。
トイザらスのロゴがこれになったのがちょうどこの頃なので、これと混同されている可能性もあります(日本トイザらスとアメリカトイザラスどっちが正しいのか…)
このジェフリーはもしかしたら見たことある方もいるのではないのでしょうか。
実は、日本にトイザらスが上陸した時のジェフリーがこれなのです。
日本トイザらス3号店であるトイザらス相模原店(神奈川県相模原市/1992年3月開店)。よく見るとこのジェフリーが居ます。
さて、元に戻ります。
こちらは1987年のCM。ロゴが上記のRの文字が黄色のものになっています。
これが恐らくジェフリーの一家が出ている最後のCMです。
そしてこれが1987年の広告。右上にジェフリーが居ます。
1988年の広告。ジェフリーが変わりました。
1988年のCM。CMとしてはここから新ジェフリーになります。
任天堂のテレビゲームのCMです。NESという海外版ファミコンです。
↑この頃のジェフリー。
それから年は変わり1989年。イギリスのトイザらスのCMが登場します。
このCMはジェフリーと子どもたちが店内で遊ぶという内容です。
曲名は「Magical Place」と言うそうです。
この曲は2017年にイギリスのトイザらスが全店舗閉店するまで、イギリストイザらスオリジナルの曲として使われ続けました。
さて、ここからは1990年代。
日本にトイザらスが上陸する時代でもあります(日本トイザらスという会社自体は1989年に建てられましたが、出店は1991年からです)
↑トイザらス荒川沖店(茨城県/日本トイザらス1号店)
1991年12月に日本にトイザらスが開店しましたが、その頃のアメリカのCMがあります。
ついにCGになりました(トイ・ストーリーなどで有名なPixarが作ったという説があります)。
ジェフリーも冒頭に箱から出てきています。
このCMはアメリカを始め日本、中国、スペイン、ドイツなどで放送されていた非常にバリエーションの多いCMとなっています。
恐らく1995年頃の日本トイザらスのCM。商品の発売時期などからして1995年あたりだと推測しました。
同じく1995年の(恐らくアメリカの)トイザらスのCM。全編アニメです。
1996年のCM。1982年に僕らはトイザらスキッズで登場した一部の子ども達が、大人になった姿で登場しています。
ここにも最後にジェフリーがおり、ジェフリーはずっと一緒であるということを指しています。
1997年のCM。ジェフリーは出ていませんが個人的に面白いと思ったCMです。
ブラックフライデーのCMです。しかも営業時間は朝6時から。非常に開店時間が早いトイザらスです。
さて、1999年になるとジェフリーのデザインが変わります。
4.4代目ジェフリー
トイザらスのメインターゲット層である「子ども」をモチーフとし、子どもっぽい性格としました。
そのため、今までは「父親」ポジションだったジェフリーの一家を完全に削除し(3代目ジェフリーの時も実は少しだけ家族として出ている事があったそうです)、ジェフリー自体を「子ども」としました。
この頃になるとジェフリーは広告塔などではなく、完全に「トイザらスのマスコットキャラクター」として活動するようになります。
この頃になると、ロゴも下の物に変わります。
アメリカでは1998年から2007年まで使われていたロゴとなります。日本では2000年代からこのロゴが使われるようになります。
Rの部分を星にして、より楽しくなるようになりました。
1999年のCM。
00:17に「プライスチェッカー」という、バーコードをかざすとその商品の値段が表示されるというものがありました。
このプライスチェッカーは日本でも導入されていました。
↑トイザらス住之江公園店(大阪府大阪市/2022年3月閉店)にあったプライスチェッカー。4代目ジェフリーが描かれています。
この頃のトイザらスの床には、このようなものが描かれていました。
ジェフリーです。
それでは、ここから2000年代に入ります。
2001年。ジェフリーのデザインが一変します。
5.5代目ジェフリー
リアルを追求したこのジェフリーは、アメリカだけで使われました。
日本などそれ以外の国は、4代目ジェフリーでした。
そのためか、このジェフリーが店頭の看板に出ることはありませんでした。
2001年にニューヨークのマンハッタン、タイムズスクエアに巨大トイザらスが誕生しました。旗艦店と言われるものです。
それに伴い、ジェフリーが新しくなったとされています。
ジョークなどを話すようになったこのジェフリーは、声を俳優のトム・ハンクスの弟であるジム・ハンクスという方が務めました。
2001年のCM。
2002年のCM。
この年、ジェフリーが話すというアイデアが受け、雑誌「Advertising Age」の「Top Spot of the Year」というものを受賞しました。
同じく2002年。「パワーパフガールズ」のキャラクターとコラボしたこともありました。
2003年のCMです。
同じく2003年。砂浜に埋められたこともありました。
2004年のCMです。
そして最後の5代目ジェフリー出演のCM。2005年です。
これ以降、5代目ジェフリーは広告で出てくることはありませんでした。
実際、これ以外の2005年のジェフリー出演CMは発掘されていません。
さて、いよいよ「現代のジェフリー」になります。
6.6代目ジェフリー
2007年からこのジェフリーになりました。
トイザらスのジェフリーはやはりイラスト調なのが一番良いとされ、世界中どこでも愛される、そんなキャラクターになりました。
星模様の斑点は魔法と不思議を表す星です。
同時にロゴも現在の物となりました。
2007年に一気にチェンジしたトイザらスです。
実際、2007年に放送されたCMも現在のジェフリー、ロゴとなっています。
2009年にはCGのジェフリーも登場しました。
一方、イギリスのトイザらスでは1989年に作られたCMのアレンジが行われました。
セル画からデジタルになり、トイザらスの建物は現代風になりました。
さて、このジェフリーは現在も日本でも活躍しているジェフリーとなっています。
アメリカでは2018年に全店舗閉店したトイザらスですが、世界各国のトイザらスには今でもジェフリーが居ます。
日本でもCMにジェフリーが出ていたりします。
また、毎週日曜日の14時頃に全国のトイザらスでジェフリーに会える「ジェフリーサンデー」というのも行われています。
そして、ぬいぐるみも発売されています。
このように、ジェフリーは今でも愛されており、様々なところで出演しているのです…。
【おまけもあるよ】
2023年11月12日放送「王様戦隊キングオージャー」にジェフリーがゲスト登場しました。
スポンサーの中に「トイザらス」があったからこそできる奇跡のコラボです。