ハローマックといえば、お城のような建物に凹凸のある特徴のある店舗。
また、テナントとして存在していたこともありました。
しかし、ハローマックには幻となった新形態「ハローマックワールド」をご存じでしょうか。
それは福岡県糟屋郡久山町にあった店舗で、トリアス久山(現:トリアス)にあった店舗でした。
1.「ハローマックワールド トリアス久山店」とは?
トリアスとは、1999年4月23日にオープンしたショッピングモールで、日本初のコストコがa
ったりもする場所です。
そのショッピングモールにハローマックというものが存在したわけですが、実はこの店舗、結論から言うと短期間で閉店しました。
そもそもこの店舗は、2001年にチヨダ(ハローマックを経営していた会社)がハローマックの大型店舗として作られた店です。
これまでの普通の店舗は約100坪(約300平方メートル)ですが、この店舗はそれ以上のはるかな広さを誇ったとのことです。
(恐らくトイザらスレベルの広さ?)
2001年12月頃に開店し、クリスマスや年末商戦に立ち向かったと言える店舗です。
2.どれくらい大きかった?
チヨダの2002年初旬のホームページを見ると、2001年12月の売り上げが書かれています。
それを見ると。
・売り上げは8599万円
・客数は24941人
・売れた商品の数は63453点
・平均客単価は3448円
という結果が出ています。
この店舗はショッピングモールのテナント、という扱いでの出店なので、いろいろな店舗がある中「ついでに寄ろう」みたいな家族連れが多かったと予想できます。
3.普通のハローマックとの売上の違い
そもそも言うと、ハローマックはおもちゃ屋ではあるのですが、テレビゲームも発売していました。
もともとハローマックが出来たきっかけはファミコンブームの便乗なので、特におかしくはありません。
しかし、ハローマックワールドでは"あえて”テレビゲームの発売を少なくしました。
一般的なハローマックの売り上げ構成比のうち、約24%はテレビゲームでした。
ですが、このハローマックワールドは約12%にとどまりました。
テレビゲームの発売を少なくした結果から出た、というのもいえるのですが、この頃のチヨダはテレビゲームに便乗したくないと思っていたらしく、発売に関してはあまり積極的ではありませんでした。
実際、普通のハローマックの12月の平均客数は約5500人なのですが、この店舗は5倍以上の客数。それもテレビゲームという集客をあまり行わずに。
この頃はトイザらスでもテレビゲームが発売されており、「テレビゲームを発売しないとおもちゃ屋に人は集まらない」という流れを変えさせた、ともいえます。
これに関してチヨダも「新たなビジネスモデルの構築に大きく踏み出せるもの」と称しており、これからのおもちゃ屋事業が大きく変わるのでは、と言われていました。
この流れから、チヨダはハローマックワールドの最終粗利益率(チヨダに入る売り上げのお金)を30%以上を目指す目標を定めました。
4.知育玩具やベビー用品
チヨダは「ベビーマム」というベビー用品専門店を出していた時期もあり、赤ちゃん関連に関しても知識がありました。
それを活かし、ベビー用品と知育玩具をハローマックワールドに置き、売り上げに大きく貢献させました。
ベビー用品はアパレルも含まれるため、今でいう「ベビーザらス」の役割も果たしていました。
その結果、高く売れる独自ブランドのベビー用品と知育玩具が全体の売り上げのうちの29.2%となりました。
5.結果
ハローマックは基本的に小型店であり、こういう大型店を出すのは初の試みでした。
なので、ハローマックワールドの最終的な売り上げの予想もできず、推測では3億5000万円から4億円売り上げるのではないか、とされてきました。
そもそもこのハローマックワールドにある全商品の売値を足すと約8000万円。すべて売り上げると億も十分にあり得ます。
集客率も高いので、在庫回転率も悪くない、とされてきました。
しかし、この店舗も長くは続かず、2004年5月16日に閉店しました。
ちなみに店舗は、この位置にあったのではとされています。
・今回の出典「玩具新業態「ハローマックワールド」の12月、売上と収益に明るさ。」