続き。
雲取山に登り、奥多摩小屋でテント泊しています。
小雲取山。
雲取山のそばにある小さなピークですが
縦走路が山頂を僅かに巻いているのでので、
わざわざ訪れる登山者は稀です。
私は雲取山は何度も登っているのですが、
小雲取山は初めてです。
富田新道の分岐点から少し踏み跡を辿ると山頂です。
今回の登山の収穫ですね。
最高のロケーションのテント場です。
無くなってしまうのが惜しいですね。
最近はあまり見ることが少なくなった
ダンロップのテントを愛用しています。
最新のテントと比べると、重くて嵩張りますが、
数々の苦楽を共にしてきた相棒です。
オールシーズン用の寝袋に入っても寒くて、
夜はあまり寝れませんでした。
この寝袋は古いので、ダウンがへたってるかも
知れません。
次に冬山に登る時は、
新しく冬用の寝袋が欲しいですね。
そして翌日、大晦日の朝を迎えます。
新田次郎の小説、孤高の人のモデルになった
加藤文太郎の著書、単独行によると、
文太郎は昭和4年の正月元旦は、
八ヶ岳の夏沢温泉で迎えています。
その単独行にこんな文があります。
——今日は元旦だ、町の人々は僕の最も好きな
餅を腹一パイ食い、いやになるほど正月気分を
味わっていることだろう。
僕もそんな気分が味わいたい、
故郷にも帰ってみたい、
何一つ語らなくとも楽しい気分に浸れる
山の先輩と一緒に歩いてもみたい。
去年の関の合宿のよかったことだって
忘れられない。
それだのに、それだのに、
なぜ僕は、ただ一人で呼吸が蒲団に凍るような
寒さを忍び、凍った蒲鉾ばかり食って、
歌も唄う気がしないほどの寂しい生活を
自ら求めるのだろう。ーー
という訳で、私も蒲鉾を持参しました。
どうせ買うなら紅白ですね。
今日は大晦日。元旦には1日早いですが、
ここで蒲鉾を食べながら、
文太郎さんの気持ちになってみたいと思います。
家族を放置して山に来ている私の心に
文太郎さんのの言葉がが沁みます。
余談ですが、毎年思う事ですが、
この時期蒲鉾を含めて
お正月の食材の値上がりは
凄まじいものがありますね。
この蒲鉾は運良く値上がり前の物を買えました。
荷物を撤収して、下山を開始します。
七ツ石山、千本ツツジ、赤指尾根を経由して
帰るコースも頭に浮かびましたが、
今日は大晦日ということで、
早く自宅に帰ることを優先して、
そのまま素直に鴨沢に下山します。
朝日に輝く道を歩きます。
ここからの展望の主役は富士山ですね。
南アルプス、白根三山から南部に続く山まで
クッキリ見えます。
あとは樹林帯の中を黙々と歩きます。
新年を雲取山で迎えるのか、
続々と登山者が登ってきます。
私が気付いただけでも
およそ200人位はすれ違ったのだろうか?
ザックにマットを括り付けた方も多かったです。
テント泊か、避難小屋泊まりであろうか?
思ったよりも早く自宅に帰れました。
年の終わりに最後の山歩きを堪能しました。
奥多摩小屋のテント場が
無くなる前に行けて良かったです。
そして西暦2019年、
平成最後の年、平成31年が明けました。
今年はなるべくマメにブログを更新していきたいと
思っています。
本年もよろしくお願い致します。