『オレなら3秒で売るね』翻訳者の、悠々と急げ -4ページ目

運と縁の法則

いつもは洋書を趣味と実益を兼ねて読んでいるので、

たまに軽い本が読みたいなと思う時がある。


大体2時間ぐらいで読めて、ほんのちょっと得るところがあるような本がいい。


パイロットが空から学んだ運と縁の法則/坂井 優基
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著者の坂井さんは国際線の機長で、数百人の乗客の命を預かる立場から

とても論理的で実践的な考えをする人だ。

「ジャンボ機長の状況判断術」という本は以前読み、リスクマネジメントの観点から大いに得るところがあった。


これ↓

ジャンボ機長の状況判断術 (PHP新書)/坂井 優基

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その人がびっくりするような運の本を書いた。論理的なことは全くない、実践的では(多分)ある。


小さな親切をしたり人を喜ばせたりするといいことがあるよ、


という事は新しくはないが、大事なのは実践する事だろう(と、これも言い古された事だ)。


機長でもある著者がこれほどまでに、運や縁を大切にしろ、と繰り返し言っているのは


それ程、人生において決しておろそかにしてはならないという実感があるからだろう。


確かに自分の人生を振り返っても、運は人が持ってくるものだから、縁を大切にしている人は

概していい人生を歩いていることが多いと思う。


私の親友でさる外資系の大会社の社長だった男がいるが、彼は、若いときから人を大切にしている人だな、

と思う事が多かった。


うん、こんな時だからこそ、もっともっと縁を大切にしよう。


きっと運もついてくる!

がんばろう

ブログ仲間のアニキがご機嫌な記事をアップしてくれました。


NYCの友人たちが、Rising Sunと語りかける所は涙が出ます。


勇気と愛を持って、前に進もう。


我々は日いずる国であって、日が沈む国ではないのだから!


いかすぜ、アニキ・・・ → http://ameblo.jp/aniki184/entry-10861779329.html

原発事故に見る心理学

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、経済産業省原子力安全・保安院が12日、「国際原子力事象評価尺度(INES)」の暫定評価を最悪の「レベル7」に引き上げた


と言っても、CNNをはじめとする海外メディアは事故後間もなく「限りなくレベル7に近いレベル6」と報道をしていたから、驚くことはない。むしろ何でこんなに遅いのか、という怒りの方が強い。


政府としては、いたずらにパニックを起こすことを避けるためにレベルを上げることに慎重だった、として

これほど海外の認識との齟齬が生じたと説明している。


パニックを避けるため、というのは一見とてももっともらしく、また頼もしく感じる。


しかしそうだろうか?


お役人や限りなくお役人的な東京電力が、自分のしたことを限りなく過小評価したいがため、

そして自分ではどうしようもない天災の責任を限りなく過大評価したいがために、

レベルを上げることに強い抵抗を持ったのではないだろうか?


だからマグニチュード9とか、

数百年に一度の大天災、とかいう言葉は早々にでてきているが、

このレベルを正しく客観的にとらえるという作業は進まなかった。


(4月13日付の朝日夕刊には、レベル7になったとの認識は、すでに3月17日に持っていたという!

ヤべえよやべえよ、という内に言うタイミングを逸してしまったという事だ。子供か!)


現実は人間の思惑なんかお構いなく進んでいる。


その現実を見ることが何よりも必要なのに、保身や現実を見たがらない心が、

その大事なことから人の目をそらさせてしまう。


レベルが低い、という間違った認識が、とんでもない危機に必ずしなければならなかった事(過去形!)

を邪魔してしまったとしたら、これはもうどうやっても取り返しがつかない。


レジリエンシー心理学という概念がある。


そこで教えることは、人間には「楽観的」になるべき時、と「悲観的」になるべき時があるという事だ。


正しくしそれを捉える事が大切だ。自分の都合でそれを間違えては致命的だ。




人間には「自己正当化のバイアス」というのがどうしようもなくある。

自分に都合がいいように物事を歪めて認識してしまうという偏向の事だ。


例えば、保険屋さんをやっていると気が付くが、

事故の時に、


自分が悪いだろうと思っている方は、「こつん」と「当たった」と言うのに対して、

全く同じ事故を、相手が悪いと思っている側は、「どかん」と「衝突」してきた、


と報告することにも自己正当化バイアスは顕れている。




昔は、(今もか?)手遅れ医者、というのがいて、


どんな症状の患者を診ても手遅れだ、と言っていたらしい。


その患者が治れば、それは自分の手柄だし、

もし助からなくても、自分のせいではない、と言いたいのだろう。


人間には、自分の責任が問われる時にはものを限りなく過小評価したいバイアスがあるし、



自分以外のせいに出来ることには、限りなくその要素を過大評価したいバイアスがある。



しかし、大事故に際して大切なのは、自分の都合ではない。



勿論、見栄や保身では更にない。



目の前の状況を全力で解決する事。それだけだ。