明日から、毎年恒例の全国付添人経験交流集会が開催される。今年の開催地は福島県郡山市。大阪弁護士会の子どもの権利委員会では、毎年、交流集会に合わせて、委員会旅行を実施する。ただ、旅行といっても完全に遊びではなく、交流集会の開催地に近い子どもの権利に関連する施設を見学するのが恒例だ。

 今年は、宮城県に前乗りし、ロージーベル「少年の家」、小松島子どもの家の2施設を見学した。特に、ロージーベル「少年の家」の見学は楽しみにしていた。5年前、青森で開催された交流集会の基調講演が、ロージーベル理事長の大沼さんで、その基調講演がとても印象に残っていたからだ。

 大沼さんは、少年院でのラジオDJの活動を通じて、非行少年の更生支援に関心を持ち、ロージーベル「少年の家」という児童自立援助ホーム、自立準備ホームを作るまでになった。今日、5年ぶりに話を聞いたけれど、情熱は変わらず、非行少年のために力を尽くしている姿には本当に頭が下がる。

 ロージーベル「少年の家」のような活動は全国で行なわれているが、資金難で苦しんでいるところが多く、運営をあきらめて閉鎖、活動休止しているところも多い。このような活動にもっと公的な資金が投入されるように、活動の重要性を知らせていかなければならない。

 ロージーベルのHPはこちら。
 http://blog.rosybell.jp

 芸能事務所とタレントとの間のマネジメント契約という、当事者が対等の立場で解決すべき法律問題について、一方当事者のタレントが事務所に謝罪したことを報告し、法律上無関係な視聴者に対する謝罪もするという場面を、ニュースとしてではなく、自らのコンテンツ(番組)として放映することによって、芸能界における芸能事務所とタレントとの関係が対等でないこと、テレビ局がその実態を批判できないだけでなく積極的に強者である芸能事務所に加担することを、視聴者にわかりやすく説明することに成功したフジテレビは、報道機関として優秀ですね。
 今日は、弁護士会の子どもの権利委員会の企画で、「映画『みんなの学校』上映会&トークセッション」というイベントが弁護士会館で行われた。「みんなの学校」はある公立小学校のドキュメンタリー映画で、その小学校は、発達障害等で、通常なら支援学校、支援学級に通うような児童も、他の児童と同じ学級で学びつつ、その特性に応じた指導を行って、学校生活からドロップアウトさせない、という教育を行っていることで全国の注目を集めている。

 映画の上映会の後、木村元校長を中心としたトークセッションが行われたが、木村元校長の話は、私が少年院で学んだ「発達障害の特性に配慮した教育をすることは、発達障害のない子にとってもプラスになる」という考えと重なり、とても共感できるものだった。このような考えのもと、教育できる場所が学校に限らず全国に広がってほしい。
 高校への出張授業は毎年行っているけど、今日は初めて定時制高校に行ってきた。

 授業のテーマは少年事件。最初は当たり障りのない手続の話をしていたが、いろいろ質問を受けているうちに具体的なケースでの弁護人、付添人の役割を話すことになり、最後は人の善悪は絶対的ではなく、環境などに左右される相対的なものだ、という話をした。

 最終の授業だったこともあってか、授業が終わった後、真面目そうな一人の女子生徒に呼び止められた。彼女は泣きながら、子どものころのしんどかった経験のこと、凶悪事件を起こす人を他人事とは思えないこと、そういう人の助けになりたいけど頭が悪いから何も出来ないことなどを話してくれた。茶髪のクラスメートに背中をさすってもらいながら。

 彼女の話が終わった後、私から彼女に対し、弁護人や付添人の仕事は非難されることが多いけど、あなたのように理解してくれる人がいて嬉しかったこと、犯罪・非行をしてしまう人とそうでない人が紙一重であるという感覚を忘れないでほしいこと、もし夜に寂しそうにしている女の子がいたら「こんばんわ」とだけ声を掛けて、あなたが信頼できる大人の人に相談してあげてほしいことを話した。

 たぶん、彼女と会う機会は二度とないだろうけど、今日の授業が彼女の人生の記憶に残れば嬉しい。
 三連休の中日、朝早く、31歳の男性が刑務所を満期出所してきた。近くの駅で待ち合わせをし、三連休の過ごし方、連休明けの生活保護受給申請、救護施設、住居探し、今後の生活プランなどを相談した。

 彼に初めて会ったのは、約15年前に遡る。当時私が勤務していた少年院に彼が送致されてきたのが最初だった。私が個別担任を担当したわけではなかったが、何かと目立つ少年だった。家族関係が難しく少年院に来るまでも施設経験が長かったこと、運動神経が良くて運動会、水泳大会などのスポーツ行事で活躍したことをよく覚えている。

 今から3年半前、刑務所から出所した直後の彼は、ある牧師さんの支援を受けて更生を目指していたが、交通事故に遭ってしまう。その損害賠償請求等について、牧師さんから相談を受け、彼と10数年ぶりに再会することになった。しかし、彼は交通事故をきっかけに職を失い、生活を崩し、再び刑務所に入ることになった。

 少年院で彼に初めて会った時に思っていた「更生させる」なんて傲慢な気持ちは既にない。これまでに彼が歩んできた人生を考えると再び犯罪をしないで生きていくことは簡単ではないと思うし、彼の人生を決めるのは私ではなく彼自身の選択である。私は彼の委任を受け、淡々と弁護士として彼のサポートを行っていくだけである。