1月末に天理教大阪教区で講演する機会があったのだけれど、その時の懇親会で、「しんどい子どもを引き受けて面倒みている教会が大阪だけで5か所ある。一度、弁護士さんたちと協議したい。」という話が出た。私としては、そういう活動をしている方々と知り合うことは願ってもないことなので、少年事件の審判後のアフターフォローに関心を持っている弁護士数人を誘って意見交換会を行った。

 意見交換会では、①保護観察所、家庭裁判所から委託された少年を預かる場合には、委託費が支払われるが弁護士が依頼してきた場合にはどうなるのか、②進学を希望する少年の場合の生活費、自立準備資金をどのように確保するか、③委託された少年が不法行為をした場合、施設運営者はどのような責任を負うのか、などについて話をした。

 弁護士は、少年事件の付添人活動やアフターフォローはするけれども、実際に少年を引き受けて一緒に生活する、ということはできない。自分たちができないことをしている方々に敬意を払いつつ、引き受けをお願いするだけでなく、弁護士にできることで少年を引き受けている方々をサポートすることをやっていきたい。
 今年から後輩の弁護士が合流し、共同経営になったのだけど、その合流した弁護士の縁で、私選の少年事件を共同受任することになった。私は普段、少年事件を私選(法律援助ではなく純粋な私選という意味)で受任することはほとんど無い。残念ながら弁護士が選任されるような事件(鑑別所に入所するような事件)の保護者には、弁護士に対して付添人活動の報酬を支払う経済力がない場合が多い。

 よく、「私選と国選で活動内容が変わるのですか。」と聞かれることがあるが、実際には全く変わらない。むしろ、保護者の監督能力が十分でないケースが多い国選の場合のほうが、付添人が直接活動しなければならないことが多いのが実情である。

 警察で接見した少年は、日頃私が接している非行少年とは違い、真面目で気弱そうな少年だった。恵まれた家庭で育ったように見える、真面目そうに見える少年が、なぜ非行に走ったのか、ちゃんと分析しなければならない。

 今日は、大阪家庭裁判所堺支部が主催する「家裁関係機関と家裁調査官との交流会」に参加してきた。本当は、昨年に初参加する予定だったけれど、当日に珍しく大雪になり中止になった。なので、今年が初参加である。


 大阪家庭裁判所堺支部の調査官たちが主催し、関係した参加機関は、弁護士会、保護観察所、子ども家庭センター、児童自立支援施設、少年院、少年鑑別所、児童養護施設などで、子どもが産まれてから成人になるまでに関わる公的機関がほぼ網羅されていた。


 交流会は、ある架空の少年のケースについて、少年の成長段階で関わっていく各関係機関が、どのような働きをするのか説明し、質疑応答する、という内容で、高度に専門的な議論をするというよりも、各関係機関が行っていることをお互いに理解することが目的だったように感じた。


 児童虐待や少年事件に関わる公的機関はお互いの情報交換や連携がうまくいっていない部分が多い。私が少年院で勤務していた時も、特に保護観察所との連携がうまくいっていないと思っていた。こうやって、子どもの問題に関わる関係機関が集まって、「顔が見える」状態で話をすることは、信頼関係を作るうえでとても大事だと思う。

 朝寝坊しないでちゃんと起きることができた。今日参加する分科会は、福岡県弁護士会が主催する初心者向けの付添人活動の勉強会。わざわざ初心者向けの勉強会に出席したのは、福岡県弁護士会が少年事件についていつも先進的な取り組みをされていることと、その関係でアドバイスをいただいている先生が主導されている勉強会であったためだ。勉強会の前にその先生に御礼の挨拶をして勉強会が始まった。


 勉強会は、ある事件を題材にして、その事件での焦点となる問題点について、グループ別に分かれてディスカッションし、グループ別の発表をもとにさらにディスカッションをする、という方法で進んでいった。初心者向けの勉強会ではあったが、議論が深まってくると「付添人とは何か」という本質的な点についての思想が問われるなど、レベルの高い勉強会だった。


 全国付添人経験交流集会は毎年参加しているが、毎年学ぶことがある。また、何よりも委員会旅行が、まるで部活の遠征旅行のようで楽しい。来年も参加するつもりだ。

 朝9時にホテルを出発し、神戸に向かう。昼食を中華街にある「本館牡丹園」で豪華なランチを食べる。朝ご飯がホテルのバイキングで出発直前にたくさん食べたので、あまりお腹が減ってなかったけれど、さすが中華街にあるだけあって、料理は美味しかった。


 午後1時から交流集会が始まり、全体会では、いわゆる神戸連続児童殺傷事件の付添人を担当された野口善國弁護士の講演があった。野口弁護士は、少年事件の付添人活動に熱心なだけでなく、保護司登録もされている。私は司法修習生の時に個人的にお会いさせていただいた経験があるが、その時も事務所で「環境調整報告書」(保護司が少年院から仮退院しようとしている少年の帰住予定地の環境を保護観察所に報告する書面)を記載されていたことが強く印象に残っている。


 野口弁護士のような「スーパーマン」の話を聞くと、感銘を受けると同時に「私には無理」という諦めも感じるのだけれど、その点については、「いつもこんな活動ができているわけではない」と言ってもらえたので、少しは安心した。


 その後の分科会では、男子の性非行を取り上げた分科会に参加した。分科会の趣旨はよくわからなかったけれど、表に出てくる性非行という「現象」に捉われるのではなく、他の少年事件と同じように生育歴や環境を丁寧に見ていくことが大事だと感じた。


 その後の全体懇親会、大阪だけの二次会、三次会と続き、ホテルに戻ったのは2時前ぐらい。この2日間は、1年で一番お酒を飲む2日間かもしれない。