自宅近くの公園に、鮮やかな橙色の花を付けた「ヒメヒオウギズイセン」(姫檜扇水仙)が咲いていました。(下写真)
昨年の今頃も同じ場所で咲いていましたが、生命力の強い球根植物だからでしょうか、今年も元気に鮮やかな姿を見せてくれました。
姫檜扇水仙 撮影:2023年6月30日 東京都多摩東部
スマホカメラで「姫檜扇水仙」を撮っていると、後方のベンチで憩われていた老女性が「檜扇水仙、綺麗ですね!」と小声で仰いました。
しかしながら、「姫檜扇水仙」と「檜扇水仙」は、同じ科の植物ではありますが、属の異なる植物なので、花名としては別種の花となります。
↑「檜扇水仙」 WEBより拝借
上掲写真が、老女性の仰るアヤメ科アヤメ属の「檜扇水仙」です。茎の途中から放射状に幾つかの花を付ける散形花序であり、花辨に斑点模様があるのが分ります。
下掲写真が僕が撮ったアヤメ科Crocosmia属の「姫檜扇水仙」です。
↑「姫檜扇水仙」 撮影:2023年6月30日 東京都多摩東部
「姫檜扇水仙」は、茎の先端に向かって左右交互に1個づつ花蕾を付け、やがて交互に連なって咲き揃います。(上下写真)
↑「姫檜扇水仙」 撮影:2023年6月30日 東京都多摩東部
「檜扇水仙」と「姫檜扇水仙」の共有名となっている「檜扇」の由来は、剣状の濃緑葉の形状が宮中で使われていた"檜扇"の形状に似ていることから来ているとか。(下写真)
↑「姫檜扇水仙」 撮影:2023年6月30日 東京都多摩東部
↑檜扇 WEBより拝借
「水仙」の名の由来は、両者の花の姿が"水仙"の花に似ているからだそうですが、水仙とは違うような・・・そんな気がしないでもありません。
「姫檜扇水仙」の「姫」は、「檜扇水仙」よりも小さいことから名付けられたそうです。
老女性が小声で仰った「檜扇水仙、綺麗ですね!」が耳に入らなかったように振る舞いながら会釈してから、その場を後にしました。
姫檜扇水仙の植物分類名
科:Iridaceae アヤメ科
亜科:Crocoideae
属:Crocosmia
種:C. × crocosmiiflora
学名:Crocosmia × crocosmiiflora
英名:Crocosmia
別名:Montbretia
原産地:南アフリカ