(何気ない風景 in 香港)
Romiです。
お義母さんの復讐..
今日でこの話は、最終回。
思いのほか、自分自身の記憶が開かれる
そんな体験をブログを書きながら体験していました。
『お義母さんの復讐』とは言いませんが
今まで皆さんが読んできたことは、自分の子供たちには
あえて話したことが今までなかったんですが
もう成人もしているし、話す機会ができたら
自分たちの家族の過ごした日々を話してもいいなと思います。
前回までの話...
兄は、その次の週に
お父さんと弟の再会の日を設けました。
そして、とうとう、その日がやってきたのでした。
38年ぶりの再会...
でも、
これからまだ見ぬ父に会う弟と父の願いを届けた兄は、
父に会う前に、
あの母にも伝えておいた方がいいと
わたしとお義母さんとお兄さんを呼び出しました。
そして、母にも父に会うことを理解をしてほしいと
レストランで食事と共にし、そのことを話したのでした。
それが あのお昼の出来事でした。
今から15年前近いあの日のお昼のことでした。
主人とお義弟さんとお義兄さんと、
そして、お義母さんとわたしで飲茶に行って来ました。
この日は、すでに集まって、美味しい食事をしながら
3時間ぐらい居座って、いろんなものを食べたのですが
ここに集まっていたのには、大きな訳がありました。
そうです・・・
お義母さんは、息子たちから、
「癌である父に...
38年間一度も見たこともない父に
これから会いに行く。」
と告げられていたのでした…
もちろん、お義母さんはいい顔はしませんでした。
しかし、しばらくの間黙って、
不機嫌なままでしたが...
一言、こう言ったのです。
「あんたも もう大人だしね!」
感情では、許せない思いが未だに残っていたようですが
それは、
理性と母性で、
まるで弟の背中を一押ししてくれたように見えました。
(一言も「行って来たら・・・。」とは言いませんでしたが)
この日・・・・
お義母さんの元旦那への復讐が終わったのでした。
お義母さんが私の耳元でこう言いました。
”わたしもこのまま
人を許さないで・・・
憎んだままで あの世に行きたくないからね。”(笑)
本当はお義母さん自身も、
お義父さんを許す
この復讐を終わらせるきっかけが
ほしかったのではないかなと思いました。
そして、その日の午後、
38年ぶりの再会を果たした父と子の姿がありました。
数人の家族がお義父さんの家に行き(そこは第4婦人宅)、
既に弱くなっているように見えたお義父さんとの会い
握手が交わされた後、
他の家族は全員退いて
父と弟だけで2時間、
別部屋にこもって話をしていました。
何が話されたのかは...
誰も知りません。
しかし、それは、2人にとって、重要な日になりました。
弟にとって、生涯忘れることの出来ない日となったのです。
後に、彼がそう教えてくれました。
本当に良かった...
そして、
その翌週のことです。
”お義父さん 危篤”
との連絡が入りました。
家族の皆が病院に駆けつけました。
あのお義母さん以外は...
近所に住んでいた第3婦人の家族と第4夫人の家族は、
お義父さんを天国に見送ることができました。
「凄くいい顔していたよ。」と・・・。
わたし達家族は、最後の時には間に合いませんでしたが、
もう目を覚ますことのないそのお義父さんの顔から
悔いなく、天国へ行けたんだな...
そう思わされる穏やかな顔を見つめていました。
この1週間前にお父さんと
弟が会うことが出来ていて本当によかったと・・・
感謝しました。
(あの日を逃したなら、弟は、
お父さんと生きて一生会うことが出来なかったでしょう。)
不思議な不思議な人生の導きでした。
弟も
「会えてよかった。会えててよかった。」
何度も兄と私に話してくれました。
長い間、会うことがなかった父と息子。
会わせなかった母。
時が流れ、
父に思いをはせるようになった息子。
許せない気持ちを手放した元妻。
この父によって波乱?な道を歩んでた10人の子供たち・・・
いろいろあったけど、
息子へ元夫へ会わすことを受け入れたお義母さん。
そして、彼が天国に行く前には、
「許そう。」と思えた
お義母さんの長い長い復讐は、幕を閉じたのでした。
お葬式の日、10人の子供たちの姿と2人の妻。
そして、孫たちの姿がそこにありました。
「バラバラだった家族が、もう一度
お父さんの死によって集められるなんて不思議よね。
わたし達の家族って...
こんなにもいたのね。
ホント お父さんは、最後まで只者ではないわね。」
そう、穏やかに話す家族の姿がありました。
あれから15年以上の月日が経ちました。
あの時幼い子供たちがもう大学生、来年には独り立ちをしますから、
時の流れることの早さを実関しています。
わたしたち家族を取り巻く環境も大きく変化しました。
あの弟も実は、
あの後、父と同じ肺癌にかかり
まだ、40代前半だった年齢で
父の後を追うように他界しました。
きっと天国で話をしているに違いないと...思わずにはいられません。笑。
そして、きっとお義母さんの話も.していることでしょう。..
(終わり…)
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長い間読んでくださりありがとうございます
お義母さんは、今も健在です。
もう、昔のことは忘れてしまい、
子供のようになっています。
人を恨み、復讐を思っていたあ
の眼を思い出すとき
ある意味、今の赤ちゃんのような眼をするお義母さんは
嫌なことを忘れられて幸せなのかもしれないと思う時があります。
人生... 本当に不思議なものですね。
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