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☆今後の予定☆

 令和4年度 本試験分析会

令和5年1月28日(土)「令和4年度マンション管理士・管理業務主任者 本試験分析会」を行います!

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令和5年1月28日(土)の夜、合格者祝賀会渋谷で開催する予定です!

 

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  今年の本試験が終わって

 

皆さん、こんにちは。平柳です。

 

・宅地建物取引士(R4.10.16)

・賃貸不動産経営管理士(R4.11.20)

・マンション管理士(R4.11.27)

・管理業務主任者(R4.12.4)

 

と、不動産系の資格試験は、年の後半に集中する傾向がありますが、ようやく落ち着きましたね。

 

今年受験された皆さん、改めまして本当にお疲れ様でした。

 

前回のブログで、

なお、マンション管理士・管理業務主任者とも、正解が明確ではない問題がいくつかありますが、それらについては、年内に時間があればブログで検討してみたいと思いますできなかったらスミマセンキョロキョロ)。

と書いた内容について、今回からマンション管理士試験のいくつかの問題(一応年内になんとか…)、それが終わったら、管理業務主任者試験のいくつかの問題(年明けに…)について、簡単に検討してみたいと思います。

 

なお、ご承知のとおり、「本当の正解」が何かは試験実施団体の発表がすべてであり、発表があるまではわかりません。

 

ですが、私が昔から提唱している「過去問『を』学習するのではなく、過去問『で』学習する」という観点からは、正解番号がどうこうではなく、問題を通じて学び取ることこそが学習の核心です。

 

なぜ予備校によって正解番号が分かれるのか

各予備校は何を考えてその番号を選んだのか

正誤判断において何が核心部分なのか

 

受験した皆さんは、「現場」で考えたことを思い出してみてください。

 

これから受験を検討している皆さんは、わかる範囲で考え方の「筋道」を追ってみてください(手元に問題のない方は、試験実施団体のHPをご覧ください(➡こちら))。

 

資格試験は終わっても、皆さんの「学び」は終わりません。

 

  R4マンション管理士 問4

 

問題文の柱書について

まず、この問題は「甲マンションにおける管理者が区分所有者Aである場合の管理者の立場等」に関するものです。

 

管理者は区分所有者であってもなくてもなれるというのは基本知識ですが、今回は「管理者=区分所有者A」という前提で解くことになります。

 

次に、「区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか」ですから、正しいかどうかの判断基準「区分所有法と民法の規定」です。

 

区分所有法は民法の特別法ですから、当然、

区分所有法の規定で判断

↓区分所有法に規定がない事項

民法の規定で判断

という検討手順になります。

 

そして最後に「ただし、規約に別段の定めはないものとする。」とあります。

 

これは、区分所有法で「規約に別段の定め」や「規約の特別の定め」が認められている「例外」を考慮しないという条件設定です。

 

つまり、区分所有法の「原則」で考えなさいということですね。

 

まず、ここまでを正確に把握できているか確認しましょう。

 

肢1について

Aは、集会の決議を経ることなく、共用部分の保存行為をするとともにその形状又は効用の著しい変更を伴わない変更をすることができる。

 

この問題では、管理者Aが「集会の決議なしに(=単独で)」できるかどうかが問われています。

 

検討対象となる行為は次の2つ。

 

 

共用部分の保存行為

その形状又は効用の著しい変更を伴わない変更(=軽微変更

は、管理者が「集会の決議なしに(=単独で)」できます。

 

しかし、は、集会の決議の実行としてであればともかく、管理者が単独でできる権限には含まれていません。

 

もちろん、についても、

 

規約で別段の定めをすれば…

規約の特別の定めでAを管理所有者とすれば…

 

集会の決議なしに、管理者ができるようにすることは可能です。

 

しかし、問題文柱書に「ただし、規約に別段の定めはない(別段の定めも特別の定めもない)ものとする。」とありましたから、この例外は「考慮しない」で正誤を判断することになります。

 

以上、から、肢1は「誤り」と考えられます。

 

肢2について

Aは、甲マンションの大規模修繕工事について、自己の利益を図る目的で請負契約を締結して工事代金を支払ったとしても、当該契約が集会の決議に基づき締結したものであれば、善良な管理者の注意義務違反を問われることはない。

 

肢1は「区分所有法」の頭だけで正誤判断ができますが、肢2は「民法」の頭に切り替えなければなりません。

 

「自己の利益を図る目的で」と定番のキーワードがあるので、代理権の濫用の問題かな…というのは瞬時に把握したいところです。

 

ただ、受験生としての代理権の濫用に関する典型的な論点は、「どのような場合に無権代理となるか(➡相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは無権代理)」というものです。

 

ですから、本肢のように、「代理権の濫用としての行為が集会の決議に基づく場合に、管理者が善管注意義務違反を問われることがないといえるか?」といわれると、現場の受験生としては一瞬「うーん…?」と思った方も多いと思います。

 

もっとも、事例の内容は権限濫用ですし、「善良な管理者の注意義務違反を問われることはない。」というのは、例外を認めないかなり強い否定ですから、勉強をした受験生であれば「まあ、責任を問われることはあるよね」ということで、ひとまずは「誤り」と判断した方が多いと思います。

 

ちなみに、本肢は、類似する事例の裁判例(東京高判令和元.11.20)があります。

 

この裁判例は、管理組合の理事長の職務執行が、私的利益を目的として行なわれたものであって、善管注意義務に違反するとされた事例です。

 

厳密にいえば、前述のとおり、本問の正誤判断のモノサシは、「区分所有法及び民法」であって、「判例」というモノサシが入っていません。

 

この点については、「判例」という場合、厳密には「最高裁の」判例を意味することがある(下級審判例は「裁判例」として区別する)ので、入れていないという理解もできなくはありません。

 

いずれにしても、「判例」に関しては、それが柱書で正誤判断の「モノサシ」に入っていないからといって、上記の高裁の裁判例をムシできるわけではありません(なぜなら、結局それも「民法」の条文を「解釈」して導かれた結果だからです)。

 

したがって、「善良な管理者の注意義務違反を問われることはない。」というのを正しいと判断するのは難しいですね。

 

以上から、肢2は「誤り」と考えることができます。

 

肢3について

Aは、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために原告となることができるが、その場合には、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。

 

これは即答レベルの基本的な選択肢です。

 

管理者は、「規約又は集会の決議」により、その職務に関し、区分所有者のために
原告となることができます(=前段は「正しい」)。

 

もっとも、原告になった場合に「区分所有者にその旨を通知しなければならないのは、「規約」による場合だけでした。

 

これは、規約に管理者に対する訴訟追行権を付与する根拠規定を定めた時点と、その規定を使って実際に原告・被告になる時点とにタイムラグがあることが理由でしたね(知らない間に訴訟が行われてしまう可能性がある)。

 

他方、「集会の決議」による場合は、各区分所有者がその決議に至る過程のなかで内容が把握できるので、わざわざ「通知」する必要がありません。

 

以上から、肢3は「誤り」と考えることができます。

 

肢4について

甲マンションの敷地が、区分所有者の共有又は準共有に属しない場合、Aは甲マンションの敷地に関して、これを保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権限を有する。

 

これも過去問レベルの基本的な選択肢です。

 

マンション管理士の直前ブログ(➡コチラ)でも書きました。

 

「直近3年の過去問の焼き直しは必ず一定数出てくるから、今年は『①R2➡②R1➡(③H30➡④H29)➡⑤R3』の順でやっておくこと!」

 

ちゃんとやりましたか?

 

やっていれば悩む間もなく「瞬殺」です。

 

この選択肢は、令和2年問4で同一の論点が出題されています。

 

【令和2年問4肢3】

A(区分所有者である管理者)は、甲マンションの敷地が区分所有者の共有又は準共有に属しない場合には、敷地に関して、これを保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権限を有しない。

 

この選択肢は「正しい」肢として出題されています。

 

それはそうです。そもそも管理組合は、「みんなでもっているものを管理するための団体」なわけですから、「共有又は準共有に属しない」敷地は、団体で管理する必要性が低く、当然に管理対象になるわけがありません。

 

区分所有者の団体である管理組合の管理者がその権限を有しないのも当然です。

 

本肢は、この令和2年の過去問の「逆」の帰結になっていますので、肢4は「誤り」と考えることができます。

 

あれ…?

 

「正しいもの」がナイじゃないですか…

 

というわけで(?)、平柳塾では、問4は本試験当日から「解なし」という判断を公表しています。

 

でも、現場で受験された方はきっと焦りましたよね。

 

問4なんていう比較的最初のほうの問題で、答えになるものがない。

 

どこか読み落としたのではないか…

 

違う解釈があるのではないか…

 

自分の知らない論点があるのではないか…

 

きっと時間を取られた方もいるでしょう。

 

でも、いつも言っているとおり、

 

本試験では「立ち止まってはいけない」んです。

 

答えが確定できないのであれば、そこでこだわらずに、ひとまずどんどん先に進む。

 

そして、最後までいって余った時間を目いっぱい使って、得点につながりそうな問題に時間を割いて点数を1点でも積み重ねていく。

 

本試験ではそうした「戦略」(というよりも、「戦術」といったほうが良いかもしれませんが)が合否を大きく左右します。

 

なお、平柳塾の「マンション管理士学習会(アウトプット講座)➡コチラ」では、今回のような形で、問題をもっともっと掘り下げていきます。

 

ですので、1問の中のたった1肢の検討で30分~1時間かかってしまうこともざらにあるくらいです。

 

本格的な力をつけて合格したい方は、是非お待ちしています!

 

今日のブログはここまでです。

また時間を見て記事を更新しますね。

 

それではまた!


2022年12月19日
平柳 将人

 

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