中学時代、いじめのターゲットにされた友達

 

「花より男子」に感化されて

いじめに立ち向かう決意をした

それまで人とぶつかることなく生きてきた私にとっては、相当勇気のいることだった

 

〈続く〉

 

いじめに立ち向かうと言っても

暴力や暴言などわかりやすく攻撃されているわけじゃない

陰口、さりげない無視、なんとなく見下した態度

ごまかしが効く、女子ならではのある意味陰湿なものだった

 

だからまず私が取った行動は

Sちゃんとなるべく一緒にいるようにして

本音を聞き出そうとした

「あんなことされて、本当はどう思ってる?」

「私だったら嫌だな」

「無理に一緒にいなくていいんじゃない?」

 

でもSちゃんは予想外の反応だった

「大丈夫!」

「みんな本当はいい人だもん!」

「いつか前みたいに仲良くできると思う」

 

・・・・!?

何この子…

人が良すぎ?

辛そうに泣いてたこともあるのに…

どんなに説得しても通じなかった

本人がこの現状を変えたくないなら、私の出る幕はない

私にできるのは、今まで通り側にいて

もしこの先ひどいことをされたら守ってあげようと思った

 

女子は敏感な生き物だ

考えが変わると自然と態度も変わる

私が以前の私と違うことを感じ取ったようで

今度は私がターゲットになるまで時間はかからなかった

さりげなく距離を取られ

遠巻きにこちらを見てヒソヒソ言われているのを感じる

遊びのお誘いもなくなったし

いつもの集合場所に行っても誰もいなかった

まぁこうなることは予想してた

 

ただ想定外だったのは

Sちゃんもその中に加わっていて

中でもSちゃんの風当たりが一番強かった

彼女の考えは未だにわからない

望んでいた通り、元のグループで仲良くやっているようだった

 

しばらくは孤独だったけど

心の中で必死で戦っていた

自分は何も悪いことはしていない

責められるようなことはしていない

だから堂々としてたらいいんだ!

負けるな、私!

 

絶対にいじめはしないと誓った

中学時代の私

あれから何十年も経って

今も自分の中にあの頃の私がいるのを感じる

どんなに辛くても

負の感情でいっぱいになっても

プライドは捨てないで

平気で人を傷付ける人間に

屈してはいけない

何も悪いことはしてないのだから

堂々と生きていいんだ

 

そう言い聞かせて

今日もなんとか踏ん張っている