幕引き〈4〉 | 不倫という名の恋をして

不倫という名の恋をして

本来ならば、誠心誠意、子育てに没頭すべき時、いい母親になることをいつも自分に誓っていた時、なぜか毎日を息苦しく感じていました。そんなときのインターネットでの彼との出会い。誰にも言えなかった彼とのこれまでのことを、ここに綴っていきたいと思います。

私が欲しかったのは

この関係は「不倫」じゃない証。

自分が選択した関係…

周りの家族を悲しませ
家庭を壊してまで選んだ関係…

17年という長い時間
爆発しそうになる気持ちを
我慢して続けてきた関係…

その関係が「不倫」であったことを
どうしても認めたくなかった。

この関係が
「不倫」以上のものになれないなら

どうして私は離婚なんてしたの?

離婚してからのことが浮かぶ。

小さかった娘。 
父親と一緒に遊んだ後、
車の窓から目だけを出し
外で見送る父親に
泣きながら手を振る。

おとーーさーーん!
おとーーさーーん!

えーんえーん
おとうさんとあいたいよー
おうちにかえりたいよー

父親が見えなくなっても
さめざめと泣く娘の姿は
いつも本当につらかった。

小学校の低学年だった息子。

ねーねー
いつ、おうちにもどれるの?
おとうさん
たんしんふにんから
いつかえってくる?

あのね
おとうさんとおかあさん
りこんしたんだ。
だから、おうちには
もうかえれないよ。
ごめんね。

…うん…わかった…だいじょうぶ。

穏やかで優しい息子。
聞きたいことも
言いたいことも
きっとたくさんあったはず。
それなのに何も聞かず
黙って頷く小さい胸の内は
本当はどうだったのだろう。

仕事で遅くなる私に代わり
病気がちな体にムチ打って
毎日子供たちを見てくれた私の母。

「俺が父親代わりにならないと」
そう言って子供たちを愛し、
時には厳しく叱ってくれた私の父。

お盆やクリスマス、誕生日にお正月と
子供達にいつもお金を送ってくれた
元夫の両親。

自分とひらりだけだったら
別れてもいいと思う。
でも、子供たちが可哀想だ。
周りのみんなも悲しませる。
だから離婚はしたくない。
そう言っていた元夫。

沢山の人の生活を変えて
悲しませても自分を貫いた。

なんて私は自分勝手なんだろう。

それでもこの関係は選ぶ価値がある!
きっと最後は不倫じゃなくなる!

そう私は思ってきたのに…

卓にとって私は、
そこまで価値はなかったの?