ふざけた物言いは相変わらずだ。
新型コロナウィルスの「ワクチン
担当」を任じられた河野太郎行革
相は参院本会議で、その根回し下
手を指摘され「『令和の運び屋』
と言われるようにがんばりたい」
と答弁をした。接種の明確な目途
も立てられないのに「丁寧な発信
に努めたい」と虚勢をはる。自宅
待機の患者が激増するなど感染爆
発に至らしめた「コロナ無策」を
野党から追及される菅義偉首相は
河野行革相を起用、「やってる感
」を演出するのに懸命だ。通常国
会冒頭から、連日言い間違い答弁
をして、首相の資質の無さが改め
て露呈、その焦りが自ら負のスパ
イラルを招いている。
河野行革相の答弁は野党議員から
「令和の壊し屋」と言われた挙句
の、逆切れ答弁だったが、流通業
者を蔑視すると受け止められても
おかしくない。慎みのない不快な
答弁で、ワクチン接種の政府内の
混乱をさらけ出してしまった。以
前、外相だった時の会見で「次の
質問どうぞ」を何度も繰り返し、
答えたくないく質問に答えを拒否
する傲慢な振る舞いをしたことを
思い出す。「ハンコ担当」になっ
た時も、地場伝統産業の経営者や
知事らを怒らせる発言をしていた
。
政府のワクチン接種計画が年明け
まで日程を含めほとんど策定され
ていなかったことにまず驚く。欧
米で接種が始まった映像が流され
、国内の無策が追及されるのが必
至になっていた。その目くらまし
を狙って起用されたのが河野行革
相の起用だったが、やはり調整が
できていなかった。坂井学官房副
長官が「6月までに全ての国民に
必要な数量の確保を見込んでいる
」と21日に会見で述べ、河野行革
相はこの削除を求めた。これに坂
井副長官が反発し撤回しなかった
。結局、「確保を目指す」で妥協
したが、目途さえ立っていない実
態が分かり、河野行革相は大事な
調整手腕が早くも疑われる事態に
陥っている。
「ワクチン接種が政権の生命線」
と言われるが、先行きが見えない
。菅首相の指導力不足に「もう持
たない」という声が党内から出始
めたという。何より何を語るべき
か首相自身が理解できていないこ
とが大きい。信じられないような
言い間違いが絶えず、与党でもフ
ォローのしようがないのが現実だ
ろう。国会の施政方針演説に続き
、代表質問でも言い間違いを連発
した。
「予備費」を「予備軍」と言った
り、「国民投票法」を「国民健康
法」と全然違う言葉に変えてしま
った。官僚の作文を棒読みするだ
けでなく、読めずに意味も分かっ
ていないのが明白だ。国のトップ
として致命的と言っても言い過ぎ
でない。とても首脳会談の場に立
てるような資質もなく、自ら早期
退陣への道を歩み始めた格好だ。
コロナの感染拡大の加速が止まら
ない。自分が住む兵庫県も自宅待
機患者が激増、公立病院で他の患
者を緊急度を優先に選別する「ト
リアージ」が起きている。政府が
緊急事態宣言解除の区切りにして
いる2月7日までに収まる気配は
ない。緊急事態対象の11都府県で
は特に病床が逼迫して、自宅療養
中の15人以上が死亡していたこと
が判明している。最も深刻な東京
では、4週間前の約6倍にあたる
6700人も自宅療養者がいると
される。一人でも多く救うために
も今務めるべきは、野戦病院のよ
うな医療施設を公有地に建設すべ
きではないか。駐車場になってい
る築地の市場跡などが有力候補だ
。感染症法改正審議以前に、菅首
相や小池百合子都知事らに自宅療
養者の救済策を講じさせることが
野党やメディアの急務である。
【2021・1・23】
