「首相早く辞めて、43%」の衝撃 | 平野幸夫のブログ

平野幸夫のブログ

ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

妻の事務所に2700万円、運動

員が選挙ポスター1枚張って30

0円……。公金を不正に流用した

「疑惑のデパート」を否定し続け

た寺田稔総務相がようやく更迭さ

れた。一連の政治資金規正法と公

職選挙法違反を「文春砲」が報じ

て以来、「妻は別主体」、「事実

はない」などと筋の通らぬ抗弁で

から約1カ月半にわたって居直り

続けた身内の閣僚。それをかばい

続けた岸田文雄首相が党内外の批

判の耐えられなくなった末の失態

である。1カ月で3人の閣僚の資

質が問われた「辞任ドミノ」を招

いた首相に、半数近い人が「早く

辞めて」と答えた世論調査の数字

が出た。首相から「延命の道」を

さぐる気力も伝わらない。末期症

状は深刻だ。

有権者はもう岸田政権を見放して

いる。それが今朝の毎日新聞の世

論調査にはっきり表れていた。「

岸田首相にいつまで首相を続けて

ほしいか」という設問に、「早く

辞めて」との回答が43%と最も多

かった。「できるだけ長く続けた

」はわずか14%しかなかった。支

持、不支持がトリプルスコアで乖

離した数字は深刻だ。すでに「死

に体政権」の様相と言えよう。自

民党支持層でも「再来年9月まで

」が最多の39%にのぼった。この

数字を見て、与党議員が浮き足立

ち、公然と「岸田おろし」が起き

てもおかしくない。それほど衝撃

的な数字であった。

政権がこの苦境から脱するには、

最大の政治課題である旧統一教会

(世界平和統一家庭連合)の宗教

法人解散と被害者救済法案の立法

化を早急に実現させる道しかない

。しかし、国会議員の3分の2が

教団と関わりがある党が決別でき

る状況にない。公明党も支持母体

の創価学会に影響が波及しないよ

うにずっと及び腰のままだ。毎日

の世論調査では救済法案について

、71%の人が「今国会で成立を」

と望んでいた。

岸田首相が支持率を思うように上

げることができないのは、すべて

においてリーダーシップを発揮で

きていないのが最大要因である。

弱小派閥の政権運営にあたって安

倍派、麻生派、茂木派が「隙あら

ば」と足元の揺らぎを凝視してい

る。次なる野党の標的になってい

る秋葉賢也復興相(茂木派)の「

政治とカネ」の問題で、さらなる

辞任に追い込められたら、もうア

ウトであろう。総辞職かイチかバ

チかの解散しかない。

秋葉復興相の政党支部が義兄の団

体に600万円を振り込んだ正当な

理由が国会で説明できるのか。義

兄の団体の住所地は秋葉復興相の

義兄の実家だったことが発覚して

いる。秋葉復興相の政治資金が義

兄を通して環流していたのではな

いかと、既に「フライデー」が報

じている。この政治団体は201

7年12月に設立されていたが、6

00万円が振り込まれたのは、約1

年前の17年2月だっった。存在し

ていなかった団体になぜ振り込む

ことができるか。不自然極まりな

く、この団体は19年12月に解散

していた。

フライデーは政治団体のあった住

所地に住んでいた復興相の義兄の

実父にインタビュー、「(政治団

体の)事務所になんて使っていな

い」という証言を引き出している

。実父は義兄が「政治のことは一

切やんないね」と話し、団体がペ

ーパー上の「ユーレイ団体」だっ

た疑いが一層強まった。

見事なスクープであるが、一般紙

の記者らは手を拱き、追いかけ記

事も満足に報じていない。与党の

「愛玩犬」になれはてた政治記者

らの堕落ぶりをもあぶり出す政権

末期である。
    【2022・11・21】