悪びれず、崖っぷちの岸田首相 | 平野幸夫のブログ

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ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

政権党腐敗の核心をえぐり出す

見事なスクープだった。旧統一

教会の関連団体が数十人の自民

党議員と政策協定を結んでいた

と報じた朝日新聞の1面トップ

記事は韓国の反社会的なカルト

教団に従属している議員らの反

モラル的な行為を浮かび上がら

せた。国会で追及された岸田文

雄首相は調査もしていないのに

、「党の政策に影響を及ぼすこ

とはないと確信している」と悪

びれた様子もない。邪教集団に

毅然とした政治決断ができない

モラルなき岸田政権はさらなる

崖っぷちに追い込まれた。

国のトップとして何をすべきか

、岸田首相は自分でもどうした

らよいか分からないのだろう。

教団に解散命令を請求できる要

件をめぐって首相の答弁が一夜

で180度変わった。教団の不

法行為を刑事事件に限定し、民

法は入らないとしていたのに、

翌日の答弁では民法も入るとし

て、悪質な寄付を迫ったケース

に教団の使用者責任までに言及

したのである。刑事事件に限定

すれば、立件までには長い月日

がかかり、解散命令が出せるの

は遠い先になるのは明白だった

。それでも刑事事件限定を言い

張っていたのである。野党から

「教団の守護神」と追及されて

も仕方なかった。

それが被害者救済どころかさら

なる拡大に向かうとの強い批判

が出ると、態度を急転させた。

「整理した結果だ」と釈明した

首相の頭の中を疑わせた。覚悟

も熟考もない。自ら呼び込んだ

火の粉を払いたいだけの与党議

員らにおもねった官僚の作文を

読むだけの信念のなさばかりが

際立つ。風向きが変わると、無

思考なまま対応を変える。とて

も国のトップと思えない振る舞

いの繰り返しである。

衆院選での自民党と教団の政策

協定についても、全容解明を明

言せず「党の政策に影響を及ぼ

すことはないと確信している」

と根拠なき見通しを述べるだけ

だ。憲法改正、家庭教育支援法

、LGBT問題、同性婚合法化

などがこの政策協定に掲げられ

、自民党の政策にピタリと一致

しているではないか。とても影

響を受けないと言い切れる状況

ではない。

政策協定を認めた自民の斉藤洋

明衆院議員は「(教団と)10

0%政策が一致するわけではな

いが、おおむね方向性が確認で

きた。認識は間違っていたと大

変反省している」と述べた。誤

りを認めただけ、岸田首相より

はまだ誠実かもしれない。逃げ

回ったり、非を認めないのが最

も見苦しい。首相は国会対応そ

っちのけで週末はオーストラリ

アに外遊。緊急性のない首脳会

談を見せつけられ、かえって不

信感を募らせるのではないか。

20日の国会で野党は安倍晋三元

首相や細田博之衆院議長と教団

の関わりについて「調査する必

要はない」とあからさまに逃げ

ようとする答弁を繰り返した。

二人の関与に決着を付けなけれ

ば、二人は「教団の跋扈を許し

た政治家」と半永久的に批判さ

れ続けるはずだ。

それにしても、教団の反社会的

な行為は今も収まらずと、言葉

を失うほどだ。癒着をこれ以上

さらけ出したくない政権党の思

惑と及び腰を見据えてか、むし

ろ居直っているようにさえみえ

る。教団の勅使河原秀行本部長

が元妻の高額献金で家庭が破綻

し、長男が自死し被害を訴える

高知の男性に対し、元妻が否定

する動画を流したのには大いに

驚かされた。こんなプライバシ

ー侵害は明らかである。またや

2世信者の教区長17人を登場さ

せことに、なりふり構わぬ狂信

性さえ感じさせた。

教団と政策協定を結んだ自民党

議員らはきっと「何を暴露され

るかもしれない」と戦々恐々と

していることだろう。因果応報

である。
   【2022・10・22】