「凡庸政権」の3悪行 | 平野幸夫のブログ

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ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

予想通り、ボロボロと事後も癒着

の実態が相次いで発覚している。

幕引きの意図が露骨に見えた自民

党の旧統一教会に対する点検結果

公表後も教団と関係があった議員

が後を絶たない。自民党は数十年

にわたって教団と「反共」の絆を

深め、教団の跋扈を許した。調査

はその中核だった「安倍家三代」

の所業にまったく触れず、多くの

有権者が納得できる内容ではなか

った。週末の世論調査で内閣支持

率がまた急落した。国会を開かず

反対の多い安倍元首相の国葬を断

行しようとしたり、十分な説明も

なく原発再稼働を表明したことも

併せ、この「3悪行」が「凡庸政

権」の正体を現わしている。

新聞休刊日の朝、ネットニュース

で流れた朝日新聞の内閣支持率調

査に、岸田文雄首相は肝を冷やし

落ち込んでいることだろう。既に

毎日新聞の調査では支持率が38%

台に急落していたが、自民党の教

団自己点検結果公表後の週末の数

字は前回より支持率はさらに6ポ

イントも落ち込み41%になった。

注目すべきは不支持率が47%と半

数近くに増え、政権発足後最低に

なったことだ。

さらに、国葬に対する首相の説明

に64%の人が「納得出来ない」と

答え、「納得できる」と答えた人

が23%とトリプルスコアの差がつ

いたことも、政権に大打撃になり

そうだ。有権者は遅ればせながら

自民党と教団の癒着をもたらした

元凶を理解してきたのではないだ

ろうか。


国会の閉会中審査で野党の「安倍

元首相と教団の関係が明らかにな

っていない」との質問に、岸田首

相は「本人は死亡しており、調査

には限界がある」と答弁した。「

限界」という語句を使うのなら、

「ここまで調べたが、これ以上は

分からなかった」と声明するのな

ら一定の納得が得られるかもしれ

ないが、調査の内容を示さない」
まま「分からない」と言われても

、信用できるはずがない。

既に各紙の取材で、1954年韓

国で教団を創設した文鮮明教祖と

安倍元首相の祖父、岸信介元首相

が「反共」という理念で一致し、

A戦犯仲間の笹川良一氏の仲介で

親しくなったことが明らかになっ

ている。その後霊感商法が問題化

してからも、岸氏の娘婿で安倍晋

三氏の父親の安倍晋太郎元外相が

教団系の「勝共連合」の懇親会で

挨拶、系列の「思想新聞」に登場

していた。晋三氏も2015年、

教団関連団体「天宙平和連合」の

会合に、教団トップを礼賛するビ

デオメッセージを送っていたので

ある。狙撃事件後の元参議院議長

の証言では晋三氏が、教団票を差

配し自分の秘書官だった井上義行

参院議員を当選させたことも、判

明した。

「安倍家三代」が教団と自民党の

関係を深め、教団を増長させたこ

とは疑いようない。元首相が亡く

なるまで安倍派の議員ら中心にな

って、教団を礼賛した講演やメッ

セージを繰り返した画像が相次い

で明るみになった。一連の動かぬ

証拠で、関係議員らは否定しよう

がない。

細田博之衆院議長、萩生田光一政

調会長、山谷えり子元国家公安委

員長……らへの調査は不十分で、

このまま幕引きをはかろうとして

も、野党やメディアのさらなる追

及をかわすことはできない。いつ

までも国会を閉じることもできず

、10月の臨時国会では癒着隠し、

国葬強行が反発を強め質疑の中心

になるだろう。さらに、何の議論

もなく進めた原発再稼働と沖縄知

事選の与党の完敗が重なり、「や

ったふりだけ」を見せ、「丁寧な

説明を尽くす」と言って、逃げ回

るばかり。スタートして1年も経

たないうちに、もうこの「凡庸政

権」の末期が見え始めた。

    【2022・9・12】