「新しき旗」なければ必敗だ | 平野幸夫のブログ

平野幸夫のブログ

ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。


5年も先の紙幣のデザインまで発
表して、「新元号リセット」ムー
ドをあおる安倍政権。しかし、そ
の本性は隠しようもなく、かばい
続けてきた失言大臣を更迭するし
かなかった。そんな敵失にも存在
感が示せない野党。統一地方選で
もまとまりのなさで、投票したく
なる候補者を各地で擁立できなか
った。心ある有権者への背信であ
るという自覚もうかがえない。こ
のまま野党が結集できる「新しき
旗」を掲げなければ、早くも夏の
参院選での必敗が見える。


統計不正も詰めきれず、「忖度道
路」予算化も追及しきれない。国
会審議の低迷を招いた野党第一党
である立憲民主党の責任は重大だ
。11日、夏の参院選に向けて公約
を討議する「立憲ビジョン201
9」を初めて開いた。衆参両院の
議員から意見を聞くほか、ネット
アンケートやタウンミーティング
で寄せられた声を反映させ、6月
上旬までにまとめるという。参院
選のわずか1カ月前で、あまりに
も遅すぎる。まるで年間活動計画
で動く学校の生徒会や大学の自治
会活動のように映ってしまう。理
念なき結集は「野合」との批判を
招きかねないという「枝野執行部
」の懸念は理解できるが、それだ
けでは幅広い勢力の結集はできな
い。個別の政策について、少し中
身が違っても「安倍政権打倒」と
いう目的が同じであれば、小異を
捨て一致できることは多いはずだ


では掲げる新しき旗は何か。「反
増税」「公正な政治」「原発NO
」。この三つだけで良いのではな
いか。党派にこだわず統一候補と
しての支援を約束、若い変革の志
のある人物を擁立できれば、必ず
勝機は見えてくる。


新たな候補として、思い浮かぶの
は4年前、安保法案反対の市民運
動で注目されたSEALDs(自
由と民主主義のための学生緊急行
動)参加メンバーである。その時
、先頭に立っていたリーダーら多
くの大学生は既に社会に出て、様
々な分野で活動している。彼らは
今の政治にきっと怒りを募らせて
いることだろう。野党がこのまま
自党の党利党略にこだわり続け、
手あかのついた候補ばかりを並べ
れば、無党派層の支持は得られな
い。このままなら、分厚い選挙地
盤を持つ与党候補に負けて、さら
なる低迷を続けるのは必至である


世界的な景気低迷で、どの国も格
差社会が進行し、1国至上主義が
高まる中、公正な社会実現を願う
若い世代の不満は膨らみ続ける。
そんな現状の打破を訴える草の根
候補が現れば、一挙に大きなムー
ブメントを起こしうるのではない
か。


立憲民主党の議員がSNSを通し
て旧民進党議員の再結集を呼びか
け国民民主党に解党要求を突きつ
けた。菅直人立憲最高顧問もブロ
グで解党論をつづって、国民民主
の玉木雄一郎代表から「またお遍
路を回ったら」と抗議された。ど
ちらも、うんざりしてしまう。い
ずれも、有権者を失望させた真摯
な反省がみられず、政権奪取の展
望も示せない。


古今東西、大きな変革は異なる価
値観を持つ勢力による大同団結に
よって実現してきた。既得権益を
汲々と守ろうとする厚い岩盤のよ
うな相手を考えれば、けんか別れ
した者同士の抗争などしている場
合でない。己の保身に走らず「身
を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」の
精神で、今は新たな旗を掲げる時
である。


           【2019・4・13】