世界一ツリーと常寂光寺 | 平野幸夫のブログ

平野幸夫のブログ

ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。





赤はキリストの流した血、緑は永

遠の命と愛ーー。街がそんなクリ

スマスカラーに飾られる季節にな

った。





神戸の夜空に世界一高いクリス

マスツリーが映える。神戸開港1
50年を迎えた記念に移された樹
齢150年の針葉樹アスナロが色
彩豊かにライトアップ。会場のメ
リケンパークはクリスマスマーケ
ットや光のトンネルも設営され、
世情のもやもやとした気分を一瞬
忘れさせてくれた。同じ週に小春
日和に誘われて出向いた京都・嵐
山にある常寂光寺の紅葉もめでた
。何かとあわただしい頃、初冬の
美景シーンによって穏やかな気分
を共にしたい。





ツリーのアスナロは富山県氷見市
の山中で見つけたといい、26日ま
でのイベント終了後は生田神社の
鳥居として奉納される。キリスト
教と神道が混在して良いのかと、
一言言いたくもなったが、月をバ
ックに見事に映えるツリーの前で
は、それを言うのも無粋だろう。
色とりどりの光で照らされ、その
変化が楽しい。実行委員会による
と、ニューヨークのロックフェラ
ーセンターのツリーより高い約30

ートル。まもなく始まるルミナリ

と合わせ人気のスポットになり

うだ。




会場のメリケンパークからはポー
トタワーと海洋博物館の羽のよう
な構造物が調和し、祝祭気分を盛
り上げる。散策の後、ホテルオー
クラのロビーで、障子模様をバッ
クにしたツリーも観賞し、くつろ
いだ。ホテル中庭に設営されたク
リスタル模様のツリーも見応えが
あった。





その数日前の好天に出向いた嵐山
の常寂光寺は以前から訪ねたい紅
葉の名所だった。近くの二尊院は
何度か訪れ、その都度見事な秋の
色彩に魅せられていたことがあり
、ようやく願いがかなった。





ウィークデーだったが、相変わらず

嵐山は外国人観光客が多い。だが
竹の径は、厳かな雰囲気に包ま
れていた。遠景に人力車が走る絶
好のシャッターチャンスに恵まれ
た。竹の青と赤のひざ掛けのがお
互いをひきたてるような空間をも
たらした。





常寂光寺の境内は深紅や黄色に染
まり、古都を見下ろす景観と合わ
せ期待以上だった。寺のある小倉
山は藤原定家、西行ら名高い歌人
ゆかりの地でもあり、古への敬慕
も高めてくれた。小さなロウヤガ
キという名の付いたこぶし大の柿
の実がたわわにぶらさがり、どこ
かほほ笑ましくさせる。




苔むした茅葺屋根の仁王門の白

壁と黄色赤の紅葉が映える。手

水鉢に沈んだ紅葉も色とりどりで

楽しませる。




やはり、紅葉狩りは京の都を外せ
ない。中でも晴天の嵐山を借景に
した紅葉は興趣が尽きない。


         【2017・12・4】



(写真は緑にライトアップされた
世界一のツリー、光のトンネル、
ポートタワーと海洋博物館、ホテ
ルオークラ中庭のクリスタルツリ
ー、同ロビーのツリー

常寂光仁王門の紅葉、竹の径と

人力車、赤く染まった本堂脇の紅

葉、手水鉢に沈んだ紅葉の順)