企業において利益は出さないことには話になりません。
しかし、ただ利益を出せばいいというものでもありません。
その様な考え方では、お客様の信頼を得ることができず、企業として発展どころか存続すら危ういものになります。
ピーター・ドラッカー氏は、利益について次のように述べています。
「利益などというものは存在しないことを、自分自身にも社会にも徹底的にたたき込まなければならない。存在するのはコストのみである。それは事業遂行のコストである。あるいは労働コスト、原材料コスト、資金コストである。さらには、今日の雇用と明日の雇用のためのコストであり、明日の年金のためのコストである。(中略)真のコストをカバーする利益をあげることこそ、企業の経済的・社会的責任である。」
『すでに起こった未来』より
松下幸之助氏は、
「利益をあげるためだけにこの会社を経営しているかというと、決してそうではない。この会社には利益を超越したもっと大きな尊い使命というものがある。(中略)頂戴した利益は無意味にこれを使うべきではない。よりよき再生産のためにこの資金を使っていく。その一部は従業員の生活の向上ヘ回す。一つは設備へも回す。一つはまた社会ヘ還元していろいろな寄付もする。そうして国民全体として、社会全体として生活をよりよくしていくために、この会社は大きなな役割を受けもっているんだ。」
『パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館』HPより
野中郁次郎氏は、ある経営者の集まる合宿において、「利益とは永続的発展のための未来創造費用である。」と定義されました。
3人とも利益を費用という捉えかたをされているのは興味深いですね。
世の中全体の経営者か利益に対する考え方を深めるだけでも、企業経営が高まっていき、より良い社会ができていくように思うのですが。