It was the middle of winter, and the snow-flakes were falling like feathers from the sky, and a queen sat at her window working, and her embroidery-frame was of ebony. And as she worked, gazing at times out on the snow, she pricked her finger, and there fell from it three drops of blood on the snow. And when she saw how bright and red it looked, she said to herself, “Oh that I had a child as white as snow as red as blood, and as black as the wood of the embroidery frame!”
There fell three drops of blood.
物語の中では、There fell from it three drops of blood on the snow.、という表現が使われています。ここで使われているThereは場所を表す副詞です。Thereが文頭に置かれる表現では、There+be動詞(There is やThere areなど)というかたちが広く知られていますが、今回の英文のように、There+一般動詞、というかたちで使われることもあります。また、今回取り上げた、There fell from it three drops of blood on the snow.、という文章は、Three drops of blood fell from it there on the snow.、という語順であったとしても、文章として成立します。この様に、通常は、主語+動詞+場所を表す副詞、という語順の文章が、場所を表す副詞+動詞+主語、という語順で表現されることがあります。たとえば、There comes a time, Down came the rain., Here comes the sun. などがその例です。言い換えれば、もともとは、主語+動詞+場所を表す副詞、という語順だった文章が、場所を表す副詞+動詞+主語、という語順に倒置された、と解釈することも出来るかと思います。
that I had a child.
ここで使われているthatは、仮定法の表現で使われるifと同じ意味で使われています。
Translation.
その日は真冬で空からは雪が羽のように舞い降りていました。女王は窓辺に座って縫い物をしていました。彼女の刺繍枠は黒檀(こくたん)でした。そして、時々雪を眺めては縫い物をしていたせいで、指を刺してしまい、そこから三滴の血が雪の上に落ちました。それはどれほど鮮やかな赤だったことでしょう。女王は思いました。「ああ、雪のように白く、血のように赤く、刺繍枠の木のように黒い子供を授かることができたなら!」