使役動詞 make

 

ポイント:使役動詞makeを使う場合のかたち

makeを使役動詞として使う場合は、「make+目的語+動詞の原形」、というかたちになります。

 

ポイント:使役動詞makeのもつニュアンス

使役動詞のmakeは、日本語では、「誰かに何かをさせる」、という意味になり、「強制的に何かをやらせる」、というニュアンスが含まれます。

 

ポイント:使役動詞makeの書き換え

この「make+目的語+動詞の原形」という表現は、次のように書き換えることができます。

 

(A) force           +目的語+to+動詞の原形

(B) compel        +目的語+to+動詞の原形

(C) oblige          +目的語+to+動詞の原形

 

force, compel, obligeは、「誰かに何かをさせる」、という意味で、いずれの単語にも強制のニュアンスがあります。ただし、これらの単語の場合には、目的語の後には動詞の原形を置くのではなく、to+動詞の原形を置きます。force, compel, obligeの強制のニュアンスの度合いは、forceが一番強く、compelは次に強く、obligeは三番目となります。

 

forceは名詞としても使われ、「軍隊」、という意味があります。compelを形容詞のかたちにするとcompulsoryとなり、「義務の」、という意味になります。compulsory educationは、「義務教育」、という意味です。

 

ポイント:make+目的語+過去分詞

使役動詞のmakeの後ろには目的語と動詞の原形が続きますが、動詞の原形ではなく過去分詞を置くこともできます。ただし、「make+目的語+過去分詞」、という表現を使った場合、主語と目的語は同一の人やものを表わさなければなりません。

 

たとえば ”I made this letter written”. などと言うことはできないのです。なぜならば、この場合、主語のIと目的語のthis letterが同一の人やものを表していないからです。もし、「make+目的語+過去分詞」、という表現を使うならば、例えば ”I couldn’t make myself understood in English”. などとしなければいけません。他の例を挙げるのであれば、例えば “I couldn’t make my voice heard”.などと言うこともできます。この場合は、主語のIからmy voiceが出て来るので、同一の人やものを表していることになるのです。ただし、例外として ”make it known” と言うことはできます。 そして、”make it known”は、「make it know that S+V」、という形で使われます。

 

問題1.

空欄に入る適切な語句を以下の4つの選択肢の中から選びなさい。

I could not make myself (BLANK) in French.

(A) to be understood.

(B) have understood.

(C) to understand.

(D) understood.

 

問題文の中で使われているmakeは使役動詞のmakeです。使役動詞のmakeは、「make+目的語+動詞の原形」または「make+目的語+過去分詞」のかたちで使われます。したがって、正解は、選択肢(D)のunderstoodとなります。

 

問題2.

空欄に入る適切な語句を以下の4つの選択肢の中から選びなさい。

The boy screamed for help but couldn’t (BLANK).

(A) hear him.

(B) make him heard.

(C) make himself.

(D) make himself heard.

 

問題文の中で使われているmakeは使役動詞のmakeです。使役動詞のmakeは、「make+目的語+動詞の原形」または「make+目的語+過去分詞」のかたちで使われます。

 

選択肢(A) hear him: 

空欄にhear himを入れると、The boy screamed for help but couldn’t hear him. となります。文法的には間違っていませんが、この場合、「その少年は叫んで助けを求めたが、彼の事を聞くことが出来なかった」、という意味なり、意味が通りません。したがって、この選択肢は誤りです。

 

選択肢(B) make him heard: 

この選択肢は、「make+目的語+過去分詞」のかたちになっているので候補になり得ます。しかしながら、「make+目的語+過去分詞」のかたちを使うことができるのは、主語と目的語が同一人物の場合だけです。The boyとhimは同一人物ではありません。もし同一人物ならば、himではなくhimselfを使わなければなりません。以上のことから、この選択肢は誤りであることがわかります。

 

選択肢(C) make himself: 

make himselfだけでは、「make+目的語+動詞の原形」または「make+目的語+過去分詞」のかたちにはなっていません。したがって、この選択肢は誤りです。

 

選択肢(D) make himself heard:

この選択肢は、「make+目的語+過去分詞」というかたちになっています。また、同じ文章の中で、主語と同一となる人物を目的語に置く場合は、himではなくhimselfを使います。したがって、これが正解となります。

 

(寺島よしき基礎完成英語Point6「使役動詞make」より)