【問題1】

2つの英文が同じ様な意味になるよう、空欄に適切な語句を入れなさい。

As soon as he left university, he got married.

= Scarcely (BLANK) (BLANK) left university (BLANK) he got married.

 

【解説1】

問題文を見ると、scarcelyという単語が文頭に置かれていることが分かります。この文脈におけるscarcelyは「had+過去分詞」というかたちと一緒に使われて、「直前にかろうじて何々し終えていた」という意味の副詞として機能していますが、「ほとんど何々しない」という否定を意味する副詞でもあります。英語では、否定を意味する副詞が文頭に置かれた時には、そのうしろの部分が疑問文の語順になる、というルールがあります。したがって、最初の2つの空欄には、(had)(he)が入ることになります。そして、最後の空欄には、(when)が入ります。完成した文章は、Scarcely had he left university when he got married.(直訳:結婚した時は、かろうじて大学を卒業していた。)(意訳:大学を卒業した直後に彼は結婚した。)となります。この場合、had leftが起きて、その直後に、got marriedが起きた、という順番になります。

 

【問題2】

括弧の中の単語を並び替えて、正しい英文にしなさい。

 

Hardly [sat / when / he / had / down]the phone started to ring.

 

【解説2】

問題文を見ると、hardlyという単語が文頭に置かれていることが分かります。この文脈におけるhardlyは、「had+過去分詞」のかたちと一緒に使われて、「直前にかろうじて何々し終えていた」という意味の副詞として機能していますが、「ほとんど何々しない」という否定を意味する副詞でもあります。英語では、否定を意味する副詞が文頭に置かれた時には、そのうしろの部分が疑問文のかたちになる、というルールがあります。したがって、Hardlyのうしろには、had heが置かれることになります。そして、そのあとに、sat downが続きます。Hardly had he sat downで「直前にかろうじて座っていた」となります。そして、最後に残ったwhenを置くと、括弧の中は単語の並びが整います。完成した全文は、Hardly had he sat down when the phone started to ring.(直訳:電話が鳴り始めた時、かろうじて座り終えていた。)(意訳:座った直後に電話が鳴った。) となります。この場合、had sat downして、その直後に、started to ringした、という順番になります。

 

【問題3】

括弧の中の単語を並び替えて、正しい英文にしなさい。

 

No[had / handed / in / it / she / sooner / than]she set out.

 

【解説3】

問題文を見ると、文頭にNoという単語が置かれていることが分かります。そして、括弧の中の単語を見ると、soonという単語があることが分かります。このことから、問題文はNo soonerで始まる文章であると推察することが出来ます。No soonerは否定を意味する副詞句です。英語では、否定を意味する副詞句が文頭に置かれた場合、そのうしろは疑問文の語順になる、というルールがあります。したがって、soonerのうしろには、had she handedが置かれることになります。残った単語は、inとitです。動詞のhandは前置詞との組み合わせで、hand inという句動詞を形成します。したがって、sooner had she handed in itとすることが出来ます。しかし、この場合、hand inの目的語が代名詞のitなので、hand in itはhand it inとします。そして、最後に残ったthanを置くと、括弧内の語順が整います。完成した全体の文章は、No sooner had she handed it in than she set out.(直訳:出発したのよりも、早く、提出していた、ということはなかった。)(直訳:提出するのと出発するのが同時だった)(意訳:提出するや否や出発した) となります。この英文は直訳すると、「出発したのよりも、早く、提出していた、ということはなかった」、となり、提出と出発の同時性が強調されているよう解釈が出来るのですが、実際には、提出の直後に出発をした、ということを意味しており、had hand it inしてから、set outした、という順番になります。

 

【講義】

「何々するとすぐに」という表現は全部で10通りあります。

 

(1) as soon as S+V

(2) the moment S+V

(3) the minute S+V

(4) the instance S+V

(5) immediately S+V

(6) directly S+V

(7) instantly S+V

(8) no sooner~than・・・

(9) hardly/scarcely~when/before・・・

(10)        On doing

 

このうち、日常会話でいちばん使われる表現は、(1) as soon as S+V、です。そして、受験英語で最も重要とされるのは、(8) no sooner~than・・・と(9) hardly/scarcely~when/before・・・、という表現です。

 

この(8)と(9)は、通常は、「had+過去分詞」、というかたちと一緒に使われる表現です。例えば、I had hardly arrived when the phone rang.などと言うことが出来ます。hardlyという単語は、「ほとんど何々しない」、という意味で使われることがあります。しかしながら、この文脈では、「ほとんど到着しなかった」、と解釈するのは無理があります。この文脈におけるhardlyは、「かろうじて何々する」「やっとのことで何々する」、という意味で使われています。そして、hardlyは、「when S+V」との組み合わせで使われる場合は、「when S+Vする直前にかろうじて何々をし終えていた」、という意味になります。したがって、I had hardly arrived when the phone rang.という文章は、「電話が鳴った時、その直前に、わたしは到着していた。」「わたしが到着した直後に、電話が鳴った。」、という意味になります。had hardly arrivedは、「had+過去分詞」のかたちになっているので、rangの以前に、そのことが起こったことを意味しています。したがって、順番としては、had hardly arrivedの次にrangが起きたことになります。

 

このhardlyは、しばしば、文頭に置かれて使われます。そして、hardlyが文頭に置かれると、そのあとの部分は疑問文の順番になります。したがって、I had hardly arrived when the phone rang.という文章は、Hardly had I arrived when the phone rang. と書き換えることが出来ます。この様に、hardly, scarcely, no soonerが文頭に置かれると、そのうしろの部分では、疑問文の語順になります。