日常 vol.20

テーマ:
おはようございます🍭
 
ずいぶん冷えてきました❄️
 
タンスの奥からヒートテックを引っ張り出して、身に付けるタイミングを伺っている今日この頃です🥬
 
この一週間は、インプットの時間が多かったように思います🍎
 
小説、新書、落語、映画、演劇……🍁
 
------
 
子どもの頃は「好きなモノがない。分からない」と言っていました⛄️
 
それは今でもそうで♨️
 
「これが好きでたまらない!」みたいなモノはなく、「趣味は?」と聞かれても「うーん」と悩んでしまいます🥕
 
でも、たわいもない「好き」はあるんです🍊
 
それが、読書や落語やエンタメ鑑賞……🥶
 
趣味とまでは言えないし、わざわざ主張するような「好き」でもありません🫚
 
好きか嫌いか? だったら「好き」くらいのモンです🎍
 
-----
 
そんな、たわいもない「好き」なのですが、最近、思ったことがあるんです🏃‍♀️
 
それらは全部「やってみたくなる好き」だった🪁
 
 
 
自分もやってみたいぁ
今じゃなくても、いつか、やれそうだよなぁ
自分でもできたら楽しいだろうなぁ
 
……いいなぁ! いいなぁ!
 
 
 
といった感じ☃️
 
-----
 
わたくしの場合でいうと🍬
 
 
 
自分もこんな作品を作りたいなぁ
こんなお芝居(演技)ができたらいいなぁ
伝統芸能やってみたいなぁ
文章書いてみたいなぁ
 
やれそうだよなぁ!
 
……できたら楽しいだろうなぁ!
 
 
 
そして、気付けば、本当にそっちの方向へと進んでいる自分がいたんです⛸️
 
それが俳優という仕事になっていたり、習い事を始めてみたり……🍠
 
-----
 
事務所のインスタを更新しているのも、そんな「たわいもない好き」が原動力になってるのかもしれません📸
 
普通は「映える写真」を投稿するメディアなのに、そこに「文章」をアップしてしまうんですからね✏️
 
若い頃は、眉間にシワを寄せながら《わたしの好きなものはなんだ?》と考え込んでしまいましたが、意外と、たわいもない「好き」の中に原動力があったりするのかもしれませんねぇ🍂
 
そんなこんなで、事務所のインスタを更新しましたので、ブログにも載せようと思います📖
 
好きこそ物の上手なれ🍦
 
よろしくお願いしまーす💛
 
 
♦︎♦︎♦︎
 
 
 
 
 
車窓から見える景色が秋の色に染まっていました。街路樹はマロン、パンプキン、オリーブ色に彩られ、夏の熱気を冷ます静けさが漂っています。
 
ところが車内の色合いは少し時間が進んでいるようで。
 
ワインレッド、マリンブルー、アイリッシュグリーン、ダークネイビー……と、深みのある華やかな色が混ざっている。
 
「冬だなぁ」 とボンヤリ思っていると、目の前に一人の女性が現れました。
 
柿色のニットセーターに、デニムのブラックパンツ。キャラメル色に染まったセミロングの髪が静かに揺れています。
 
「あっ」
 
わたくしは、つい声を上げてしまいました。
 
彼女は、先日、お仕事をしたばかりのメイクさんだったのです。
 
♦︎
 
メイクさんは、わたくしには気づいていないようでした。耳にワイヤレスイヤホンを差し、スマホに置かれた親指は蛇のように動いています。
 
こんな偶然は滅多にありません。
 
ご縁を感じずにはいられない。
 
だからこそ話しかけるべきだと思いました。
 
……しかし、喉元まで声は出かかるのに、相手のプライベートに踏み込むことへの恐れが勝り、どうしても話しかけることができない。
 
気になる。
でも、話しかけられない。
どうしましょう。
 
葛藤の嵐です。
 
♦︎
 
電車は進みます。
自分の降りる駅までは、あと3駅です。
時間がありません。
話しかけるならば、早い方がいい。
どうせあと3駅なんです。
すぐに降りることになるんです。
だから、挨拶だと思って、話しかけろ! 
 
そして、意を決しました。
 
「……あの」
 
ひねり出した声は、あまりにもか細く、すかしっ屁のように消えていきました。
 
これじゃダメだ!
もう一度、もう一度!
 
今度こそと唾を飲み込み、彼女の顔をのぞき込むと……。
 
スマホを見る彼女の頭上に亀裂が入り、空間が歪んでいくのが分かりました。そこから小さな黒雲が現れ、ビリビリと稲妻を走らせています。
 
「なに、あれ」
 
その途端、車内の温度がガクッと下がり、全身に悪寒が走るのを感じました。わたくしは恐怖に陥り、息をのみました。徐々に現実感が剥がれ落ち、それと共に彼女は変貌を遂げていく。
 
髪の毛は意思を持ったかのように天を舞い、トゲに変形すると、その先から炎を吹き出しました。顔のパーツは、それぞれがバラバラに散らばり、福笑い常態です。
 
まるで彼女の中に潜む、別の存在が顔を見せるかのようでした。
 
♦︎
 
「はぁぁぁ」
 
彼女は、大きなため息をつきました。
 
すると、その息は突風となり、車内に嵐を巻き起こしました。
 
車窓はバリバリに砕け散り、悲鳴が上がり、人々は宙を舞い、パレットをひっくり返したみたいな色が広がっていきます。
 
天変地異が起きたみたいに、床が揺れ、平衡感覚を失い、上下左右が分からなくなりました。
 
《緊急事態発生、緊急事態発生》
 
アナウンスの機械音が車内を満たしました。それが肉声ではなく、自動音声に切り替わっていることが余計に恐怖を煽ります。
 
警報アラームは、ドラマで見るようなけたたましさはなく、心ばかりの寂しい響きをしていました。
 
騒然とする車内で彼女だけは、何事もなかったかのように平然としていました。琥珀色の瞳をキョトキョトさせています。
 
そして、あたりを見渡すと、空いた座席に腰を下ろし、頭を垂れ、静かに眠ってしまいました。
 
「なにが起きたんだ……」
 
わたくしはパニック状態のまま、痛む体を引きずるようにして電車を降りました。
 
♦︎
 
すると、そこにはいつも駅舎が広がっており、ハッと夢から覚めたような錯覚を起こしました。
 
まさかと思い振り返ると、車内も正常に戻っています。人々は秋と冬の混ざったような服装で、思い思いの顔をしていました。
 
「え、彼女は……?」
 
車内をのぞくと、そこには首を折り、ぐったりと眠る彼女の姿がありました。
 
現場で見せる顔からは想像できないほど疲れ切った様子で、見てはいけないモノを見てしまったような気分になりました。
 
「…………」
 
わたくしの胸に罪悪感や羞恥心が膨らみ、ズキっと刺すような痛みがわきました。
 
そして、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、思わず目を逸らしました。
 
小さく息を吐き出しました。
 
その息は白く染まっていて、いよいよ冬の訪れを感じさせたのでした……。
 
♦︎
 
人は誰しも「人には見せない顔」を持っていて、きっとわたくしにも、そんな顔があるんでしょうね。
 
そして、俳優として、そんな表情までも「表現」できたらいいな、と思いました。
 
あ、でも、もし生活の中で、そんな場面に遭遇したら「見なかったフリ」をするのがオススメですよ!
 
じゃ、また!
 
平埜生成
 
 
 
 
 

※「キナリ・グッズ2」受注販売受付中です!

 

《販売期間:11/26(火)  23:59まで》

 

→  購入ページはコチラから

 

よろしくお願いいたします💛