ご無沙汰しております!
ーーーあ、どうも。本当にご無沙汰ですね。以前にインタビューして頂いたのは何年も前ですよね?
そうですね、去年、こまつ座「日の浦姫物語」の時に・・・
ーーーえ!? あ、去年でしたか! 失礼いたしましました・・・
いやいや! それほど充実されていた1年だったということですね!
ーーー確かにそうですねえ。色々あったせいか、去年の「日の浦姫物語」がずいぶん前に感じますね(笑)
なるほど。では、早速インタビューの方に移らせて頂きます。こまつ座「私はだれでしょう」が10月に控えているので、舞台の話を伺いたいのですが、その前に、まずはその色々あった一年、どんな変化がありましたでしょうか?
ーーー人生のこと、生き方を考えるようになったということですかね。
それは具体的に言うと?
ーーーうーん。ボーっと生きてみたいなと思ったというか。
えっと、よく分からないのですが。
ーーーいや、言葉の通りなんですが、贅沢に生きてきてしまって、世界に選択肢や情報が多かったんです。常に飽和状態。でも、心にはどこか穴が空いている感じがして。だから、ボーっとしたいなあって。贅沢な悩みですよね。
なるほど。つまり、SNSなども発達して、情報過多の世の中に疲れてしまったと?
ーーーうーん、そっか、そう捉えられてしまうと違うんですけど。うーん・・・、生きる速度を緩めてみたいと思ったって感じです!
よく分かりませんが、私からみると、やはりこの一年での最大の変化は前の事務所を退所されたことかなと思ったのですが。
ーーーああ、もちろん事務所が変わることは環境が大きく変わりますが、事務所が変わっても舞台に立ったり映像作品に出たりと、仕事の実体は変わらないんですよね。やっぱり内面の変化の方が、自分にとっては大きいですね。
えーっと、その変化というのが、先ほど仰っていた生きる速度の話ですか?
ーーーそうですそうです。あと、単純に30歳という而立(じりつ)の年を意識しだしたことですね。
年齢のことは考えますよね。
ーーーファンの方からお手紙などを頂いても、やっぱり同世代の方は同じような想いを抱えている方が多いですよ。転職とか、小さかった頃からの夢を叶えるために○○始めました! とか。まあ、キッカケですよね! 30から俺は・・!的なね(笑) まだ27歳だけど。
それは激しく共感します。ファンレターってそういうこと書かれているんですか?
ーーーいや、どんなインタビューですか(笑)。でも、あまりこういう話しないですもんね。
そうですね。私のような人間は一生ファンレターなんて貰わない人生ですから、ちょっと気になりますね。
ーーーそっかー、うーん。でも、そういった人生を教えて下さる方が多いので、読んでいて本当に楽しいですよ。やっぱり一人一人、人生があるんだなあって実感します。普段、人の人生のこと考えないじゃないですか?
それは、どういう意味ですか?
ーーー電車に乗ってる時、街を歩いてる時、肩を思いっきりぶつけられたり、舌打ちをしてきたり、意地悪してくる人がいたり。日常生活の中って、色々な不快な想いをする事があるじゃないですか? そんな時、心の中で「この野郎!」なんて悪態をついてしまうんです。まあ、皆同じかもしれないけど。それで、ストレス発散というかね(笑)。
それは、しょっちゅうありますね!
ーーーでもね、そんな時、反省するんです。もちろん、そんな理不尽な状況では相手が100%悪いと思うのですが、そんな相手にも人生があるんだなと思うようになりました。
おもしろいですね。
ーーーだって、もし、好きな人にフラれた帰り道とかだったら荒れてしまうかもしれないし。上司に理不尽な要求をされて苛立っていただけかもしれないじゃないですか。まあ、だからといって見ず知らずの他人に迷惑をかけては絶対にいけないんですけど、そういう相手の人生を想像したら、やっぱりお互いヒトで、徹底的に相手を叩く! 的な発想はなくなっちゃいました。それって、「他人は人間じゃない」的な考えになっていきそうで。
なんだか論点が変わってしまったような感じですが。
ーーーすみません。とにかく、そういったファンレターにはお悩みなども書いてあって、顔が見えない相手であっても人間であり、悩みがあり、僕はそれを読んで一人で唸ったりしてます。なんかメル友って感じなんですかね?
メル友!? 未だかつてファンの方のことをメル友と呼んだ人はいないと思いますが。
ーーー(笑)。なんか、そう言われると、なんか、いいな。メル友・・・もう死語なんですかね? ますます、いいな。でも、僕もお手紙とか書く人間だから分かるんですけど、お手紙を書くことって本当に労力が要るんですよね。本当に有り難いですよ・・・、いや、何の話!?
後半へ続く