距離を置きなさい。

新たな出会いでも、

大切なお別れでも、

距離を置きなさい。

人の目がナイフに変わって、

ビュンビュン振りかざされる。

最初の約束も、

最後かもしれない約束も、

距離を置きなさい。

あんな連中と一緒にいるなんて。

貴方は悪い影響を受けているんだよ。

距離を置きなさい。

顔が見たくても、

声が聞きたくても、

距離を置きなさい。














舞台「アーリントン」

全公演が中止となりました。

チケットを購入されていた皆様。
楽しみに待っていて下さった皆様。

誠に申し訳ありません。




稽古開始が遅れました。

土日は稽古を自粛し、
稽古時間も短くしていました。

間も無く稽古が中断、
自宅待機になりました。

緊急事態宣言発令。
公演中止の連絡を受けました。

あの日、
通し稽古を終えて、
「お疲れ様」と言った日が、
最後になってしまいました。

あの日以来、会ってないんです。




僕はね、

こうした影響を受けて、

当たり前のように
舞台に立てていたことに感謝。

当たり前のように
お客様に見て頂ける事に感謝。

なんて想いは1ミリも感じません。

だって、そんな事は、
ずっとずっと前から考えていて、
だからこそ、今まで決断してきたのです。
コロナさんは関係ない。

毎日、嬉しくて、悔しくて、
有難くて、人生って面白い。

だからね、
やっぱり、

僕はアマチュアなんだと思いました。

新しく出会う人たちと、
色々な関係を築きたい。

不安と緊張に襲われながら、
でも未知なる旅に期待を馳せ、

毎日稽古場で人と顔を合わせて、
日々動かされる気持ちに正直でいたい。

キャスト、スタッフが
大好きになっていく日々。
それでもあの人が嫌だと思う日々。

「アーリントン」の科白に出てくるんだけどね。

    『でもそれでもやっぱり、
                            人の中にいたい。』

本当に舞台は素晴らしいと思っています。

そしてお客様の前で、
こんなにも恥ずかしい演技行為を晒す。

お客様と呼応して、
嘘の共犯関係を築いて、
カーテンコールで、
自分達もよく分からない、
心の高鳴りを共有する。

僕はお客様側の立場になる事が多いけど、
そんなカンパニーの事情なんて露ほども知らず、

笑って、泣いて、たまに、批評なんてして。
観劇後に、感想文書いてみたり、
本当に無責任で楽しくて、
夢心地の博徒の気分。
ゆーとぴあ。

本当に舞台は素晴らしいと思っています。


僕はね、

こうした影響を受けて、

悔しくはないんです。
悲しくもないんです。

ただ、寂しいんです。
それだけなんです。

馬鹿みたいでしょ。

本当に、正直に、
ただ、ただ、寂しいの。

色々な事情があるから、
難しい事は承知なんだけど、

また、会いたいですね。

そして、皆様に、
お届けしたかったです。

楽しかった!
分からなかった!
つまんなかった!
感動した!
噛んでたね!
汗凄かったね!
面白かった!
寝ちゃった!

なんでもいい。
会話をしたかったな。



みんな、そうだよね。

みんな、頑張ってる。

みんな、偉い。



共に生きよう。
会いに行くよ。
ヤックルに乗って。

ごめんなさい。
自分のことばっかりで。
最後アシタカの言葉言っちゃったし。


こんなこと、
もう、一生、言わない。

とりゃっ!








文庫サイズめちゃ可愛いよ。