税理士のヒラリーです。

 

社長が入院、長期療養が必要になった場合に、どのような対応が必要か検討してみました。

 

①傷病手当金の受給申請

②役員報酬の減額支給

③傷病見舞金の支給

 

①について、税金に関連がないので省略

 

②について、役員給与の減額後給与は、臨時改定事由になるため定期同額給与の扱いとなり全額損金となります。

 

③について、所得税基本通達9-23により、その金額が支給を受ける役員の地位などに照らして社会通念上相当と認められるものであれば給与所得税課税されず、法人経費にもなります。

税理士のヒラリーです。

 

今日は在庫金額に含めるべき付随費用について記載します。

 

具体的には、水着在庫は、季節的商品にあたりますが、販売季節以外の在庫関連の費用をどう取り扱うかについて検討します。

 

まず、購入した在庫の取得価額は下記の合計となっています(法人税法施行令32条①)。

 

 購入した棚卸資産(法第六十一条の五第三項 (デリバティブ取引による資産の取得)の規定の適用があるものを除く。) 次に掲げる金額の合計額

 

イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(関税法第二条第一項第四号の二(定義)に規定する附帯税を除く。)その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

 

ロ 当該資産を消費し又は販売の用に供するために直接要した費用の額

 

ただし、ロ、のうち下記のものは、これらの費用の額の合計額が少額(当該棚卸資産の購入の代価のおおむね3%以内の金額)である場合には、その取得価額に算入しないことができるものとされています。

 

(1) 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額

(2) 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額

(3) 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額

 

(注2)棚卸資産を保管するために要した費用(保険料を含む。)のうち(3)に掲げるもの以外のものの額は、その取得価額に算入しないことができる。

 

この(3)特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用とは、ブランデー、ウイスキー、ワインなどのように品質価値を出すため、熟成させるために数年間保管する場合の費用のことをいうのであり、一年以内の短期間で保管する場合の費用をいうのではないので、注2記載のとおり、(3)には該当しない短期的な保管費用は費用化できることとになります。

 

 

税理士のヒラリーです。

 

 

指定事業の比較

 

一定規模の設備投資を行った法人は、特別償却又は法人税額の特別控除の規定が設けられています。また、特別控除には、一年の繰り越しも認められています。

今回は、中小企業者等が機械等を取得した場合に特別措置が受けられる事業者の指定事業区分について、法人の営む事業が指定事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定するとされています(措置法通達4265

両方の規定について、介護事業が指定事業に該当することになっています。

 

中小企業者等が機械等を取得した場合の特別措置の指定事業

(措置法42条の6

(措置法施行令27条の6④)

(措置法施行規則20条の3⑦)

(措置法通達4265注解)

 

農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業その他財務省令で定める事業

‐その他の事業(性風俗関連除く)

 小売業

 料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業を除く。)

 一般旅客自動車運送業

 海洋運輸業及び沿海運輸業

 内航船舶貸渡業

 旅行業

 こん包業

 郵便業

 通信業

 損害保険代理業

十一  サービス業(物品賃貸業及び娯楽業(映画業を除く。)を除く。)

‐該当事業

「大分類G情報通信業」(通信業を除く。)

「小分類693駐車場業」

「大分類L学術研究、専門・技術サービス業」

「中分類75宿泊業」

「中分類78洗濯・理容・美容・浴場業」

「中分類79その他の生活関連サービス業」(旅行業を除く。)

「大分類O教育、学習支援業」

「大分類P医療、福祉」

「中分類87協同組合(他に分類されないもの)

「大分類Rサービス業(他に分類されないもの)

 

税理士のヒラリーです。

 

うちのオピニオンレターを添付します。

ただし、参考文献、脚注などは企業秘密につき、省略します、

 

外国法人の日本国内での法人税課税の有無について

 

まず、2国間で企業活動を行う上で、どちらに課税権があるかどうかなどを決定する場合、各国間租税条約と各国国内税法に基づくこととなりますが、基本的には、租税条約の規定が国内税法の規定に優先されます(憲法982項、法人税法1391項)。

 

そのため日米租税条約の規定からまず解説します。

 

日米租税条約7条においては、「一方の締結国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締結国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締結国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。」とされており、51項において、「恒久的施設とは、事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部又は一部を行っている場所」とされています。

そして、その恒久的施設の例として、52項以降にて、「事業の管理の場所、支店、事業所、工場、作業場、鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所」などが挙げられています。

ただし、下記の場合は、例外的に恒久的施設に含まれないとされています。

  1. 企業に属する物品又は商品の保管、展示又は引渡しのためにのみ施設を使用する場合

  2. 企業に属する物品又は商品の在庫を保管、展示又は引渡しのためにのみ保有する場合

  3. 企業に属する物品又は商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有する場合

  4. 企業のために物品もしくは商品を購入し又は情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合

  5. 企業のためにその他の準備的又は補助的な活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合

 

まず、恒久的施設の一般的定義である「企業がその事業の全部又は一部を行っている場所」について、従業員であるN様が保有される住居は、企業が事業を行う場所ではなく、企業の支配下にない私的空間なので、恒久的施設になる可能性は低いと考えます(支店登記、固定電話、看板なし、法人名義契約など事業所と誤認される要素の無いことを前提とします)。

 

次に、「事業を行う一定の場所」について、PCや携帯を用いた事務連絡は住居を拠点として行われるわけではなく、また技術支援も依頼に応じてクライアント様に訪問して実施するとお聞きしていますので、一定の場所で企業活動をしているわけではないのでN様の住居が恒久的施設に該当する可能性は低いと考えます。また、N様の日本での滞在期間はおおよそ20-50%とお聞きしていますので、より日本の住居が恒久的施設に該当する可能性は低いと考えます。

 

よって、日米租税条約において、N様の住居は恒久的施設に該当する可能性は低いと思われますので、日本国内では課税されないと思われます。

 

ただし、業務の効率性など企業活動の必要性から企業指定の場所に住み企業支配下の物件とみなされる場合などは、例え法的形式が従業員保有の住居であっても、N様の住居が企業の恒久的施設とみなされる可能性があります。また、住居としての使用を超えて住居で事業活動を展開した場合(例えば、連絡業務の範囲を超えてしまった場合)も同様に、法的形式に関わらず恒久的施設に認定され、租税条約54項除外規定の「企業のためにその他の準備的又は補助的な活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合」等にも該当しない可能性があります

 

 

また、日本国内法の法人課税の規定として法人税法がありますが、日本の国税庁の独自認識により法人税を課税される可能性もあるため法人税法も確認する必要があります。その法人税法にて、「外国法人は、法人税法1381項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を有するときは法人税を納める義務があり」(法人税法43項)、日本で課税されることとなっています。

その国内源泉所得は、外国法人が恒久的施設を通じて行ったもので恒久的施設に帰せされるべき所得に限定されており(法人税法13811号)、結局、租税条約と同様に恒久的施設を保有している場合に国内源泉所得に対して課税されることとなっています。

法人税法上の恒久的施設とは、「外国法人の国内にある支店、工場その他事業を行う一定の場所で政令で定めるもの」と規定されており(法人税法2112号の18、イ)、ここでも「外国法人の…事業を行う一定の場所」であることが明確に示されています。

ただし、税務上は実質判断を伴うものなので、国内法上も租税条約同様、恒久的施設とみなされるリスクは残ります。

 

よって、日本国内での課税リスクを下げるためには、租税条約は当然として、国内法人税法においても恒久的施設の範囲を確認し、N様の企業行動として業務内容(準備的又は補助的活動に)を制限しておく必要があります。また、脚注記載ⅲにあるように企業の全体としての活動の重要部分を形成する場合は準備的又は補助的活動に該当しない可能性もあるので、技術支援等の企業活動上の位置づけについて検討する必要があると思います。

 

 

税理士のヒラリーです。

 

 

今日は、消費税の免税を受けないこととなった場合の消費税の調整について検討してみました。

 

(消費税法365項)

事業者が、第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなつた場合において、同項の規定の適用を受けることとなつた課税期間の初日の前日(前期末日)において当該前日の属する課税期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産(省略)で棚卸資産に該当するものを有しているときは、当該課税仕入れに係る棚卸資産(省略)に係る消費税額は、第三十条第一項(仕入税額控除)の規定の適用については、当該課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額に含まれないものとする。

 

となっており、「課税期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産」に係る消費税額のみ調整したらよいこととなっています。

つまり、期末棚卸資産全額の仕入税額控除を調整するわけではなく、前期以前に仕入れた商品が、消費税の免税事業者となる直前期末日まで残っていたとしても仕入税額控除の対象としなくてよいこととなっています。