の続きです。
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画面には、とてもキレイな店員さん。
背後には真っ白い壁が映し出されている。
壁だけか。
残念だ・・・。
何を言ってるかわからない、という人向け
「じゃあ早速。
お仕事はアパレル--
のどういったものですか?」
「○○のお店で、販売員をしてます」
「へー、そうなんですね」
あー、うん。
たぶん激戦区かな。
「HiMさんのお仕事は、○○ですよね。
どういったもの・・・ですか?」
お決まりのやつなので、さらりと答える。
ただまあ、だいたいの人はわからないと思うが、
あえて端的に答える。
「なるほどー^_^」
笑顔で流す。
突っ込んでは聞いてこない、か。
話題を変えよう。
「そういえば、
今日はお仕事お休みの日でしたか?」
Yes/Noで答えられる、簡単な質問から始める。
そこから、休みの日は何をしているのか?
関連する質問にスライドし、
「映画ですか。
去年は○○とか、あとは☆*とか
観に行きました」
「私も☆*観に行きましたよ^_^」
自分のことも話して自己開示しながら、
お相手の話に戻る。
ある程度深掘りしたら、キリのいいところで、
次の話題にスライド。
基本は、この繰り返し。
「そうなんですねー。
うちはネコ飼ってましたよ」
「ネコちゃん、かわいいですよね^_^」
そういう店員さんの方がかわいいけど。
・・・おっと。
こうして、
筒がなく、お見合いは進んでいく。
正直、
(店員さん、かわいいな)
という感想以外、ない。
あ。
しまった。
「えー・・・と、ですね」
「え? はい?」
「残り時間が、もうないようです」
「あ、ほんとですね」
「今日はありがとうございました」
「ありがとうございました^_^」
笑顔で手を振る店員さん。
名残りを惜しみつつ、退室した。
冷蔵庫から飲料水をとりだし、一息つく。
--さて、どうするかな。
交際希望を出すか、
それとも。
再度、店員さんのプロフィールに目を落とす。
--【お見合い】32歳アパレル店員さん、完--