古代インド 35 コーサラ国のミトラ王朝(Mitra Kings of Kosala)

 

クシャン朝の弱体化に伴い、コーサラ国も独立し、末尾がミトラで終わる複数の王のコインが発行されています。(王朝と呼ぶのは大袈裟ですが)

 

 

左:

 

 

Satyamitra王(AD 300年頃)AE Unit (60 rattis), 7.53g/18.6mm, ref. Mitchiner 4761, Pieper (2021)1062

 

表:左向きのコブウシ。(その前に戦旗。)下にブラフミ文字で王銘「Satyamitrasa」。

裏:左に右向きの孔雀。右にヤシの木。

 

 

右:

 

 

Aryamitra王(AD4世紀初め)AE 1/4 Unit (15 rattis), 1.80g/11.0mm, ref. Mitchiner 4770

 

同上。但し王銘が「Ayramitrasa」。

 

 

これ等のコインは比較的現存数が多いようですが、状態の良いものは殆ど見かけません。

 

 

 

コーサラ国のコインの流れは:

 

先ず十六大国時代のPMC(紀元前6~5世紀)

 

マガダ国に吸収された後、マウリヤ朝の一部

マウリヤ朝滅亡後、独立して独自コインを発行(紀元前2~紀元後1世紀)

クシャン朝の一部

クシャン朝弱体化に伴い独立して再度独自コインを発行(紀元後3~4世紀)

 

十六大国時代のPMCは、周辺国と比較しても遜色なく種類・発行数も多かったようですが、クシャン朝後のコインは国自体も小さくなったようで、コインも今ひとつです。

 

 

 

 

参考:

Oriental Coins and Their Values, The Ancient & Classical World, 600 B.C. – A.D. 650, by Michael Mitchiner, 1978年

古代インド 2 アヨーディヤ又はシャーキヤ | アジア古代コイン (ameblo.jp)

古代インド5.5 コーサラ国(Kosala)のPMC | アジア古代コイン (ameblo.jp)

Kosala - Wikipedia

Ancient India: Kingdom of Vatsa (Ayodhya), cast copper coin of Muladeva, (150-100 BC), not listed in (icollector.com)

 

(終わり)


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