バクトリアのコイン 7補足(パンタレオン)

 

パンタレオン(在位:紀元前185ー180年頃?)

 

パンタレオンの銅貨で、入手したいと思いながら長年取り逃がし続けていたものを先月のオークションでついに落札しました。

 

以前紹介したパンタレオンの記事で(参考)として取り上げていたものです。

 

 

バイリンガル 1 1/2 カルシャパナ銅貨(120ラティス)

 

BACTRIA: Pantaleon, ca. 190-185 BC, AE square unit (9.63g/22.6x20.6mm), Bop-6A, Pieper-1428, Mitchiner-1695, female deity advancing left, holding flower, Brahmi legend rajane / patalevasa // lion standing right, BAΣIΛEΩΣ / ΠANTAΛEONOΣ.

 

 

表:たてがみの無いライオン。(豹とライオンの見分けがつきませんが…。)その上下に「BAΣIΛEΩΣ / ΠANTAΛEONTOΣ」の銘。

裏:花をもって右に向かって歩く女神。ブラーフミー文字で、「Rajane Pamtalevasa」の銘。インド的なデザインです。(今回初めて気が付いたのですが、これはカローシューティ文字ではなくブラーフミー文字です。グレコバクトリア・インドグリークのバイリンガルコインは、ギリシャ語とプラークリット語のカローシューティ文字表記が殆どですが、このタイプはブラーフミー文字が使用されています。)

 

 

珍しいコインではないのですが、多分過去10年強の間に、7-8回入札してことごとく自分が考える高値についていけず、いつも、なぜこんなに人気があるのだろうと思いながら指をくわえていたものです。

 

しかも、銘が完全に読める個体は比較的少ないので、今回入手のものはこれでもかなり状態の良いものです。

 

価格も、自分が適切と思う価格帯ギリギリ。コインの価格は全般に上昇している中で、スポッと比較的リーゾナブルな価格で落札できました。どうせ取れないだろうと思っていたので、喜びもひとしお。辛抱強く粘ったかいがありました。欧米の金融不安の影響か?なんてことは、こんな小さなコインにはないでしょうが…。

 

 

参考:Oriental Coins and Their Values, The Ancient & Classical World, 600 B.C. – A.D. 650, by Michael Mitchiner, 1978年

バクトリアのコイン 7(パンタレオン) | アジア古代コイン (ameblo.jp)

 

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