星の時間 | ひらまつ耳鼻咽喉科の公式ブログです。    

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突然、思春期に読んだ『人類の星の時間』(シュテファン・ツヴァイク著)が思い出された。

 

「芸術の中に一つの天才精神が生きると、その精神は多くの時代を超えて生きつづける。世界歴史にもそのような時間が現われ出ると、その時間が数十年、数百年のための決定をする。そんなばあいには、避雷針の尖端に大気全体の電気が集中するように、多くの事象の、測り知れない充満が、きわめて短い瞬時の中に集積される。普通のばあいには相次いで、また並んでのんびりと経過することが、一切を確定し一切を決定するような一瞬時の中に凝縮されるが、こんな瞬間は、ただ一つの肯定、ただ一つの否定、早過ぎた一つのこと、遅すぎた一つのことを百代の未来に到るまで取返しのできないものにし、そして一個人の生活、一国民の生活を決定するばかりか全人類の運命の径路を決めさえもするのである」

 

「時間を超えてつづく決定が、ある一定の目付の中に、あるひとときの中に、しばしばただ一分間の中に圧縮されるそんな劇的な緊密の時間、運命を孕むそんな時間は、個人の一生の中でも歴史の径路の中でも稀にしかない」。

 このような時間を、ツヴァイクは、星の時間と呼んだ。本の中には歴史上の大きな転換になった12話が語られている。かってのNHKの番組のような「その時歴史が動いた」世界規模の瞬間である。

 

今、私たちは星の時間を迎えようとしているのではないか?