船からの完全フカセ釣り 大鯛への1歩(その4)

その3は、①から③の潮況の調べ方とその日の潮に合わせた仕掛けの調整にいてお話ししましたので、今回は続いて④「棚の想定」から⑥「仕掛けの投入」についてお話します。

④【棚の想定】第1章でお話しした、この釣りのポイントの「撒き餌によるマダイと餌取りとの分離」と「撒き餌と仕掛けの同調」に成功し、第3章でお話しした再現性を持って仕掛けを流すと、マダイはほとんど同じ棚(ヒットポイント)で食ってきます。

200m以上の遠い棚でもその誤差は±5mほどと驚くほどです

 

攻めの完全フカセ釣りでは、この棚を想定して棚の手前で仕掛けを張って先針先行させたり誘いをかけたりするので、この棚の想定が非常に重要になります。棚の想定が正確に出来ると無駄に仕掛けを流す必要も無くなり、その付近を集中的に攻めて早くアタリ棚を見つける事が出来ます。

 

 実はこの棚の想定にも、過去の釣行記録を分析すると法則がある事がわかりました。住友小物釣研究会のメンバーに怒られますが者のみなさんにこっそり(?)教えちゃいますね。もちろん、マダイの食い気や潮況、個人のタックルによって差が出ますが、水深50m前後の釣り場では基準にしてみて下さい(水深が60mの釣り場では棚は20%遠くなり、水深が40mの釣り場では棚は20%ほど近くなります)。

⑤【撒き餌】「マダイと餌取りとの分離」のために撒き餌は重要な役割を持っています。オキアミを船べりから絶え間なくパラパラと水面に撒いて、マダイの群れを撒き餌の帯に集める事が必要ですが、絶え間なくと言われてもどうしても忘れがちになります。そこで私たちは、ひと流し毎に、仕掛けを入れる時、仕掛けを流し始めた時、仕掛けの回収を始めた時、の3回撒く事にしています。このルールを同船者全員が守れば、常に誰かの撒き餌が入っている事になります。一人が1時間に1kgを目安に撒く量を調整して下さい。

 

⑥【仕掛けの投入】いよいよ仕掛けの投入です。仕掛けの投入は先行者が仕掛けを投入してから3~4分待ってから投入します。仕掛けを遠くまで流すことの多いこの釣りはオマツリが多くなりますが、同船者が仕掛けを投入するタイミングを変えることでオマツリの発生を減らす事が出来ます。

 

仕掛けの投入は、竿受けに竿を置いたままリールのクラッチを切って、オキアミを抱き合わせで付けて先針から順に投入していきます。この時、仕掛けが回ってハリスに撚りがかからない様に尾羽を切ってから刺して下さい。

仕掛けを全部流した終えたら、道糸との接続部のサルカンを持って、仕掛けが潮に乗るのを待ちます。20秒ほど待つと、サルカンから先針まで一直線に仕掛けが張りますので、サルカンを海中に入れてから、そのまま竿先から道糸を手で引き出して仕掛けを沈めます。

初の道糸の引き出しは、水深の1/3程度(水深50mなら20m)から始めてみて下さい。道糸の引き出しが終われば道糸を海中に向けて離し、後はクラッチオフで潮任せに仕掛けを流して下さい。

 

これで仕掛けの投入が終わりましたので、後は置き竿でマダイの食うのを待つだけ?、いえいえ、次の仕掛けの張りと誘いがこの釣りの最も大事なテクニックです。次回は、この工程についてお話しますね。

 

オキアミは身のしっかりした大き目のものを選び、尾羽を切って抱き合わせで、回転しないよう真っ直ぐに丁寧に刺します

 

  

潮を読み、棚を定めて、ピンポイントで集中攻撃すれば、大型マダイの連続ヒットが味わえます

 

 

 

春の乗込みシーズンにはこんな大漁も珍しくありません