朝から降る冷たい雨も、僕等を止める事は出来ない。





ルミネが10%OFFだからだ。
















自分の服と、真由美ちゃんの服を見立て合いながらのお買い物。


楽しいの塊。












まずはベトナムフォーでランチを取る。


無防備な横顔を盗撮。







口から大量のヨダレが垂れている様に見えラッキーショットかと思ったが、残念ながら隣の人のグラスであった。











まずは真由ちゃんのお洋服から。















レジを済ませ、外で待つ僕を見付けた瞬間の表情。



















腰をくねらせ、上手にカーブを曲がっていて愛おしい。


















真由ちゃんのお買い物もあらかた済んで、流れで言えば次は僕のを探す番。しかしここで困った現象が起きた。


















自分のいらないから、真由ちゃんのお洋服をもっと買いたくなったのだ。









これは嫁の為を思ういい夫の話でも、いつものノロケでもなんでもない。

















フェティシズムだ。











パーカーを羽織る真由ちゃんを、細身のデニムを履く真由ちゃんを、春素材のコートをまとう真由ちゃんを、



もっともっと色々な真由ちゃんを見たいという、屈折したフェティシズムなのだ。















『私のはもういらないよ』










人の気も知らない子猫はそう言うが、僕にはミャアミャアとしか聞こえない。











真由ちゃんは身長が高く小顔なのでお洋服が似合う。最近は歳を重ねて太ってきたと気にしているが、こっちから見れば女性としての柔らかい曲線をも手に入れた、言わば仕上がった状態である。

仕上がってるんだから、黙ってお洋服を買えばいいのだ。














『春先にデカい仕事があるから大丈夫』










困惑する真由ちゃんの耳元で呟き、あれこれと試着を勧めた。



試着は不思議だ。試着で新しい自分を確認するたび、女性は肌に生気を帯びる。

生気を帯びると、より服が似合って見える。こうなるともう止まらない。僕は店側の回し者の様に、店員さんと連携体制で服を勧め続けた。

































クリスマスだ。





アメリカのクリスマスツリーの、周りのやつの量だ。















『春先のデカい仕事』












ゾーンから醒めた今、なぜあんな嘘を吐いたのか分からない。 












でも春先の真由美は確実に綺麗なのだ。






綺麗なのだから。