皆さんが自宅を引き継いでもらいたくても、子供達がそれぞれマンションを買ったり家を建てたりしていると、どの子も相続したがらないことがありましょう。

 

 よって相続する時に、「現金化して分けてもらうしかないか」と思われるかも知れませんが、他にもう一つの方法があります。

 

 その方法とは、皆さんが生きているうちに、自宅を「現金化」してしまうというやり方です。

 

 自宅を売ってしまったら、皆さんの住む所がなくなってしまいますね。

すなわち、売却するということではありません。

 

 皆さんが今の家に住み続けながら、現金化するという方法です。

すなわち、「リバースモーゲージ」という制度を利用します。

 

 皆さんの自宅を担保に資金の融資を受け、皆さんの死後に自宅を売却して、一括返済するというやり方です。

 

 この資金を融資してくれるのは、銀行などの金融機関です。

銀行によって融資条件は様々ですが、一定の年齢以上であれば、担保評価額をもとにした範囲内で、お金を借りることができます。

 自治体よっては、この仕組みを使った「リバースモーゲージ」制度を推進しているところもあると聞きます。

 

 ただ、マンションの場合は、多少ハードルが高くなってしまうようです。

 金融機関によっては取り扱っていますが、マンションのある場所やその評価額が一定の条件を満たしていることが必要です。

 土地・建物の担保不動産の評価額によっては、利用できないこともあるようです。

 

 この「リバースモーゲージ」は、まだあまり知られていませんが、うまく使えば相続の準備に役立ちます。

 

 皆さんの住宅ローンがまだ残っているなら、「リバースモーゲージ」を利用して、一気に返済することができます。

 また、現金が必要になった時に、その都度融資が受けられるので、老後の資金についても心配なくてすむことでしょう。

 

 誰も自宅を引き継ぎがないなら、現金化して皆さんが生きているうちに使ってしまうこともできるというわけですね。

皆さん、ちょっといいやり方とは思いませんか。

 

 現金にしておけば、それを「贈与」や「生命保険」に使うこともできます。

 更に、「固定資産税」の支払やその他の維持費に充てることもできます。

 

 相続開始の時点で現金が残った場合は、それを相続人で等分すればいいのですから、モメることはないでしょう。

 一考の要がありましょう!

 

 

    平 成 30 年 9 月 8 日 

       行政書士  平  野  達  夫