「うちは大した財産もありません。モメごとなんて起こりません。」 

こういう皆さんが、ホントは要注意なんです。

 

  相続財産が少なくても、現実に相続争いは起こっています。

裁判所に持ち込まれた「遺産分割事件」の多くは、遺産額が5000万円以下のものです。

  特に一番モメているのが、2000万円程度の場合と言われます。

相続財産が1000万円~2000万円ですと、基本的には相続税の対象にはなりません。

それでも、モメごとは起こっています。

 

  逆に相続財産が数億円以上の遺産分割事件が割と少ないのは、資産家たちにとってごく当たり前のこととして、相続対策をとっているからでしょう。

法律の専門家を雇って、予め準備を講じているケースも少なくないようです。

 

  一方、「うちは普通の庶民だから、相続の準備はしなくてもいいですよ」

「うちの子供にかぎって、モメたりはしません」と思って、何ら対策せずにいますと、いざ蓋を開けてみたら、大モメにモメてしまったというケースが実際には多いようです。

 

  一度争いが起こってしまいますと、想像以上の時間とお金、何よりも労力がかかってしまいます。

それどころか、親族同士の縁が切れてしまうこともあります。

 

  もともと相続人同士の仲が良くても、結果的にモメてしまったということが多々あります。

そうなってしまいますと、たとえ最終的には決着がついたとしても、お互いのしこりが残ってしまうでしょう。

 

  あげくの果ては、親族と絶縁状態となり、相続で争うことのつらさや悲しさを身にしみて感じることになりましょう。

だからこそ、皆さんの家庭では、絶対に相続でモメてほしくないのです。

 

  相続の準備は、皆さん方全員に必要なことといえます。

財産の多い少ないにかかわらず、予め相応しい対策をしていただきたいと思います。

 

 

           平 成 28 年 9 月 11 日 

                  行 政 書 士  平  野  達  夫