百万、千万の多額の単位にもなることがある「相続税」は、原則として現金一括納付しなければなりません。


 また、相続人の間で、「遺産の分割」まできちんと固まらないと、その後の「相続税」の申告もできません。


 このことから、だれしもが事前に行う相続対策の課題として、極力税納付を少なくする「節税」、税資金を確保する「納税」、相続人全員の納得を得る「分割」の3つがあります。


 だからといって、必ずしも効果的にその対策が上手く打てるとは限りません。


 これら3つのすべてをスムーズに実現することは、容易なことはありません。


 たとえば、相続財産の中に、土地・建物などの不動産が多く占める場合です。

その「遺産分割」では、だれしもが困難な局面に立たされてしまいます。


 被相続人の生前に、当該不動産を売却して現金に変えておけば、相続の開始後の遺産分割も比較的に容易にすすむかも知れません。


 ただ課題はあります。

それは、相続税がどうしても高くなってしまうことです。


 以上のことからも、「節税」「納税」「分割」の3つのバランスをはかるのが非常に難しいとも言われる所以も、そこにあります。


 また、これらの中で、相続人など当事者は、「節税」に多くのウエイトを置いてしまいがちです。


 しかし、その「節税」にばかり重きを置いたがために、その後の生活に多大な悪影響を及ぼすことになってしまった事例も、現実には多々見られるところです。


      行政書士  平 野 達 夫

       U R L  http://hr-con.net