それではここで、認知症の人への相応しい対応のポイントを上げてまいります。
○ まずは、しっかり見守ります。
認知症と思われる人に気づいたら、本人やほかの人に気付かれないように、一定の距離を保ちます。
そうです。さりげなく、様子を見守ります。
近づきすきたり、ジロジロ見たりするのは、もちろん、禁物です。
○ 余裕をもって、対応します。
こちら側が、困惑したり、焦りを感じていますと、相手にもそれが伝わって、時には、動揺させてしまいます。
自然な笑顔をもって、対応することです。
○ 声をかけるときは、1人でいたします。
複数の人で取り囲みますと、恐怖心をあおってしまうことになりかねません。
できるだけ、1人で声をかけます。
○ 後ろから声をかけないことです。
一定の距離で相手の視野に入ったところで、声をかけます。
唐突な声がけだけは、さけます。
「何か、お困りですか」、「お手伝いしましょうか」
「どうなさいましたか」、「こちらで、ゆっくりどうぞ」と、いう具わいです。
○ 相手に目線を合わせ、優しい口調でお話しします。
小柄な方の場合は、やや体を低くして、目線を同じ高さにして対応します。
○ 穏やかに、はっきりした話し方を心がけます。
高齢者の方は、耳が聞こえにくい人が多いです。
ゆっくりと、はっきりとした話し方につとめます。
もちろん、早口、大声で、まくしたてたりしないことです。
時には、その土地の方言でコミュニケーションをとることも良いことでしょう。
○ 相手の言葉に耳を傾けて、ゆっくり対応します。
認知症の人は、急がされることが苦手です。
また同時に、複数の問いに答えることも苦手です。
相手の反応を伺いながら、会話をいたします。
たとえ、たどたどしい言葉でも、相手の話す内容をゆっくりと聴きます。
何をしたいのか、相手の話す言葉を使って、一つひとつ、推測し確認していきます。
以上いくつか、対応のポイントを述べてまいりましたが、如何でしょうか。
皆様、お分かりいただけましたでしょうか。
ありがとうございます。
行政書士 平 野 達 夫