認知症になりますと、将来の望みも失い、うつ状態になる場合もあります。


 本人は、能力の低下を強く自覚し、密かに認知症に関する書物を調べたりすることもあります。


 そして自ら、認知症ではないかと疑って、将来に望みをなくし、うつ状態になってしまいます。


 周囲の対応としては、先ずは、本人に恥をかかせないことが大切です。

できることをやってもらうことは必要です。

しかし、今までできたはずのことができなくなるという経験も、同時にさせてしまいます。


 本人の自信をなくすという結果になったのでは、これまた弱効果といえましょう。


 このように、自分の能力が低下してしまったことを再認識させるようなことは、避けたいところです。


 例えば、昔、書道がうまかったからといって、ことさら書道を勧めますと、本人にとっては、負担と感じます。


 ヘタになった文字を見るのは、とても辛く、耐え忍び難いと思います。


 したがって、時にはそれとなく、手助けをして成功体験に結びつけることができれば、少しでも、笑顔が戻るようにもなるかも知れません。


 また、うつ状態にあるときは、周囲からの「がんばれ」の言葉は、プレッシャーとして本人の肩にのしかかり、とても辛く感じます。

よくよくの極め細やかな気配りも、必要となってまいります。


      行政書士  平 野 達 夫

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