Q 被後見人の財産から支出できるものには、どのようなものがありますか。


A 被後見人自身の生活費のほか、被後見人が扶養義務を負っている配偶者や未成年の子などの生活費、被後見人が負っている債務の弁済金、後見人がその職務を遂行するために必要とする経費などがあります。


 まず、被後見人自身の食費、被服費、医療費などあげられます。

これらの被後見人自身が生活する上で必要な費用については、もちろん、被後見人の財産から支出することができます。


 また、被後見人に一定の収入や資産があり、配偶者や未成年の子がいて彼らに収入がないといった場合には、被後見人は、これら配偶者や子を扶養する義務を負っていることになります。


したがって、その生活費についても、被後見人の財産から支出することができます。


 ただし、いずれについても、被後見人の収入・資産等に照らし見て、相当と認められる範囲内でという制約がありましょう。


 更にその時点では、被後見人に十分と言える資産があると思われる場合でも、将来、収入が減ったり、思いもかけない支出が生ずることも考えられます。


 したがって、後見人としては、被後見人の今ある財産の総額、今後の収入の見込み、支出の必要性、金額などをも十分検討する必要がありましょう。


すなわち、将来を見据えた展望に立ち、今その支出が相当なものとするかを判断しなければなりません。


      行政書士  平 野 達 夫

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