家庭裁判所に調停を申立てた後、当事者が調停を継続することを望まない場合は、いつでも調停を取り下げることができます。
この取り下げに際しては、申立人自身が手続きを行うことになります。
また、再度調停を申立することもできます。
ただし、調停を取り下げたあと、直ちに訴訟に向けての提起に切り替えることはできません。
この遺産分割事件は、前述いたしましたように、あくまでも「調停前置主義」となっております。
再度調停の手続きを踏まえないと、訴訟への提起はできないようになっております。
なお、遺産分割調停における遺産の考え方としては、財産の種類によって、遺産分割の対象となるものと、ならないものとに判定され処理されます。
また、家庭裁判所では、当事者が合意している財産を前提として審理をすすめます。
したがって、帰属に問題のある財産の判定はしません。
たとえば、隠し財産の調査はいたしません。
更に、帰属が問題となる財産などについては、相続人同士で、別途相続財産範囲の確定訴訟を提起することを要します。
その決着を得てから、それら財産について、遺産分割の協議・判定へとすすめてまいります。
行政書士 平 野 達 夫