遺産分割で悩むケースとして、大きく分けて二通りがあります。

一つは、相続人で分けるのに十分な財産がありますが、どのように分けるか悩むケースです。

ある意味では、贅沢な悩みといえます。


もう一つは、分けるのに十分な財産がない、魅力的な財産がほとんどないのに、それを欲しがる相続人が複数いるケースです。

それを誰が取るかで争いが起きそうなケースです。


人間は感情の生き物であり、誰でも欲があります。

相続が開始したとき、なるべくたくさん財産を貰いたいと思ったとしても、別に不思議なことでもありません。


その一方で、人間は理性を持っています。

複数の相続人の間で財産を分けようという場合、自ずと「できれば、公平に~」という心理もはたらくものです。


その公平感の取り方は、一人ひとり異なります。

また、被相続人・相続人の置かれた様々な状況によっても、異なってくるものです。


従って、一概には言えませんが、要は、「皆が納得いく、こうするのが自然だろう、バランスの取れた分割の方法」を理性によって求めている部分も、間違いなくあるということも理解できましょう


遺産分割が決まるまでには、時間がかかる傾向にあります。

すなわち、ここで感情と理性が相反する状況となりますと、当然のことながら、なかなかすんなりとは決まりません。


     行政書士  平 野 達 夫

       U R L http://hr-con.net