相続でもめることが予想される場合は、生前にきちんと対策を立てておく必要があります。

そのためにも、人生の総決算ともいえる「遺言書」は重要です。


つまり、遺言書の中で、遺言者の「思い」をきちんと残し、もめない相続とすることです。

そして、その遺言者の「思い」を、正しく伝え残すためには、遺言に至る経緯や心情を、遺言の本文の他に、「付言事項」として書き加えて置くことも大切なことです。


例えば、「兄弟、姉妹は、いつまでも仲良く・・・・・」とか、「私の葬式は、つつましく・・・・」といったことです。

もちろんこれらは、遺言書に記載しても、法律上の効果はありません。


しかし、遺言者の思いをしっかりと伝えておくことは、遺言者の希望であり、意思でもあります。

後々のトラブルの発生防止に繋がると言えましょう。


また、なぜそのような相続分の「指定」にしたかという、根拠を示す元にもなります。

すなわち、遺言者の「こころ」や「思い」が相続人らに伝わる遺言書です。

それが遺言者の「こころ」、「思い」をこめた遺言書中の「付言事項」記載文です。


相続とは、目に見える財産を引き継ぐことはもちろんですが、目に見えない遺言者の「思い」、「心の財産」を引き継ぐことでもあります。


それらがきちんと遂げられるためにも、日頃より、「もめない」環境づくりをして置くことです。

家族の結束や、絆を強いものとするためには、相応しい遺言書を作りは、大変必要です。

もめない相続に向けて、遺言者も相続人も、その責任がありましょう。

     行政書士  平 野 達 夫