1990年ごろをピークとしたバブルは、やがて崩壊していきます。
土地の価値は、大きく下落します。
すなわち、バブルの崩壊により、土地に対する意識の変化が現われたのです。
この当時、「相続破産」という言葉がありました。
バブル時の相続税対策から、節税目的で無理に多額の借金をしてきました。
そして財産を失うハメになります。
最後には、本当に破産してしまうケースも数多く聞かれました。
地価の下落から、財産より借金の方が大きくなってしまったためです。
こうした場合には、相続人は「相続の放棄」という対応をせざるを得ない状況に追い込まれます。
このバブル崩壊の苦い経験から、世の人々の間では、「土地は持っていれば値上がりする」という話は、やがて昔話として消えてなくなります。
その結果、昨今では、不動産そのものに価値を見出すというよりも、その収益性に応じた価格で取引されるようになります。
財産としての不動産を見る価値観が変り、土地に対する意識も随分と変化したのです。
相続では、未だ土地などの不動産は大きな意味を持っています。
こうしたことから、相続争いに、微妙な影響を与えていることも、また事実でしょう。
行政書士 平 野 達 夫